8月20日にゲスト講義を実施しました。 この日のゲスト講師は、プロ・コーチの神西賢一(じんざい・けんいち)さん。 青崎の大学時代の友人で、現在は個人・団体を問わず、コーチングをされています。 最近よく聞かれるようになった「コーチング」ですが、実際にどのような仕事で、 神西さんはどのような経緯でコーチングの仕事に携わるようになったのでしょうか。 恒例のコミュニケーションゲームも、神西さん主導で実施されました。
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コミュニケーションゲーム(9:30開始)
ゲスト講義の前に、毎回簡単なコミュニケーションゲームを実施している。
9時15分、生徒集合と同時に、講師・神西さんも登場。ゲスト講義史上最多数(?)の参加者が集まる中、神西さん主導でゲーム開始。普段教室に置かれている机も椅子も全て撤収、空っぽの教室で参加者全員が手をつないで輪になった。そこに登場したのは、フラフープ。
ゲームのルール
参加者全員で手をつないで輪になり、フラフープを1つ、つないでいる手にぶら下げる。つないでいる手を離さずに、全員がフラフープの輪の中をくぐる。全員がくぐれた時点で終了。制限時間は、参加人数×1秒=なんと、たったの12秒。
チャレンジ(計時)は何度してもOKで、話し合い、練習、何をしてもよい。ただし、30分の間に制限時間をクリアすること。
「12秒で全員がくぐらなければいけない」というルールに、「何か特別なことがあるのではないか」と考え出した参加者もいれば、「まずはやってみよう」という参加者も。なかなか足並みが揃わない中にも、積極的にクリアしようという姿勢が見られた。
フラフープの中に手足をすばやく通しても頭が引っ掛かって残ってしまう…など、試行錯誤しながらもなかなかクリアできないまま、惜しくも30分が過ぎてしまった。
ここで神西さんより「やっていることは悪くない」「特別なことは何もない」とのアドバイスをいただき、再度チャレンジするも、結局は12秒以内でクリアするには至らず終了。

チャレンジ終了後、神西さんより「正解」が発表された。
「これまでチャレンジしていた方法でクリアすることは可能だった。ただ、大きい子から小さい子まで揃っている中で、それぞれに配慮した方法をもう少し考えるべきだった。
そして、正解を探すことに夢中になるあまり、思いついた方法で“まずはやってみよう”という態度になかなか出られなかった。思いついたら、まずやってみれば良いし、すぐにあきらめて違う方法に移ってしまわずに練習を重ねればきっとできたと思う。
そして最後に、みんなの話を聞こうとする態度が少し足りなかったように思う。いいアイディアはたくさん出ていたのに、それを聞いて実行に移そうとしている人が少なかった。きっとこのことは、このゲームだけに言えることではないと思う。」
神西さんのお話・質疑(10:30開始)
後半は神西賢一さんからお話を伺った。
神西賢一さん プロフィール

神西さんは、現在は奥様と小学校1年生になる息子さんの3人家族。大学時代はラクロスに没頭し、ラクロスでW杯に出場するほどの選手だった。大学卒業後は最大手の銀行に勤めるが、仕事に魅力を感じられず2年で退職、その後自らトレーニングジムを立ち上げ、現在はコーチングに関わるさまざまな資格を有し、プロ・コーチとして活躍中。現在は登山に情熱を費やしている。
神西さんの話は、講義形式ではなく、質疑応答の形式で進められた。(以下は要約)
『コーチング』の仕事
コーチングの仕事は簡単に言うと、「人生をもっと幸せにしたい」「もっと充実した仕事をしたい」と考えている方々のために、悩み相談や将来のビジョン構想のお手伝いを二人三脚で行っていく仕事。コーチングの内容としては、基本的には一対一での話し合いだが、決して答えを出したりはしない。なぜならその悩みに決まった答えはなく、答えがあるとすればその人の中にあるのだから、自分で答えを導きだせるようサポートしていくのがコーチの役割。神西さんは現在十数名の顧客がおり、会社での研修なども行っている、という。

コーチの仕事で大切にしていること、気をつけていることは、コーチングというのは極めてプライベートな内容を扱うため、とにかく秘密厳守。信頼関係が何よりも大切になる。
神西さんは、生徒数名に「将来の夢」について質問した。「パソコンを使った仕事をする」、「プライベートジェットを手に入れる」…などの夢に、「なぜ?」「それはあなたにとってどういうこと?」と質問を重ね、生徒の具体的な夢はそれぞれ「自分の成長を実感したい」「自由になりたい」というような抽象的な願いが中心にある、ということがわかり始めた。コーチングの成果の一端が顕れたようだった。
コーチングの仕事は何か特別なスキルや先天性が必要、というものではない。必要なものをあえて言うならば、「人に悔いなく生きてもらうためにサポートするためには、コーチである自分がその人以上に悔いなく生きている必要がある」という強い思いを有していること。
プロ・コーチになるまでの経緯

神西さんが大学卒業後に銀行員になったのは、個人的な「成功のライン」を勝手に思い描き、その中にそのような職業があったから、だった。しかし、実際にはそのようにして見つけた仕事が「つまらない」と感じてしまうものだった。利益は真剣に追求するが、存在意義が不明瞭な仕事…そこに納得がいかず、退職を決断した。その後、「自分にとっての“幸せ”は何か?」「夢中になれることは何か?」と考えるようになり、その結果、大学時代に心の底から熱中した「スポーツ」に関与したい、と考え、大学院にてスポーツ経営学を学び直し、スポーツの場を提供する仕事に就き、その仕事の関連で、プロのアスリートから日々の適度な運動を目的とする方までが集うスポーツジムを設立した。そして「人とのつながり」に更に次の道を見出し、現在のコーチングという仕事に出会うことになった。
現在の仕事は「個人経営」だが、これまで神西さんは「会社員→会社経営→個人経営」と、さまざまな形態で仕事をしてきている。会社員には安定がある反面、会社員ならではの制限と不自由さがあり、会社経営者はいろいろな意味で「責任感」が重い仕事。個人経営は自由が効くものの、安定さには欠ける。ただし、働いた分だけの報いがある、というところにやりがいがあり、充実している。「究極的にはお金がなくても生きていくにはなんとかなる」と神西さん。
「後悔しないような生き方を」

神西さんがいつも心がけているのは、「いつ死んでも後悔しないような生き方」ということ。志半ばで道が閉ざされてしまうことがあるかもしれない。しかし、「志の達成」が重要なのではなく、志を達成するまでの道のりを大切にしていれば、十分に満足できる生き方につながるのではないか、と考えている。
自分にとっての願い、幸せは何か?ということを思い描いていくことを、自分の将来を考えるスタートにしてほしい。自分のやってみたいこと、やりたいことは、しっかりと主張し、然るべき人と話し合い、やってみるといいのではないか?と神西さんは生徒に向けて提案した。
講義の最後、「みんな、楽しく生きていってくださいね」との神西さんのメッセージには、これまでの神西さんの生き方そのものが凝縮しているようだった。
前半のコミュニケーションゲームについて、「楽しかった」「難しかった」という回答が圧倒的に多かった。特に「難しかった」の中には、「既成概念に捉われないことが大切だとわかった」という意見があった。
後半のお話は、質疑応答形式だったこともあり、ほぼ全員が「楽しかった」「よくわかった」と回答、「今の社会に必要な、難しい仕事だと思った」「仕事というよりも生き方そのものを語ってくれた」という意見もあった。
ふりかえり
コミュニケーションゲーム
今回、神西さんに用意していただいたゲームは、「みんなで一つのことをやりとげる」という明確な目的をもったゲームだった。実際に、サマーキャンプを終えたばかりの生徒には活気もあり、積極的にゲームにかかわり、お互い協力しようという気持ちも強く感じられた。しかし、ゲームをクリアすることはできなかった。神西さんが今回成功しなかった原因として「人の話をよく聞かないこと」を挙げられた。一見、コミュニケーションをそれほど要さない、シンプルなゲームの解決のキーポイントが「人の話をよく聞くこと」というコミュニケーションの基本に立ち返ることだったことは非常に興味深い。
神西さんのお話

生徒たちは神西さんのお話を聞いて、神西さんの仕事のことよりも、その先にある「生き方」についてそれぞれ思うところがあったのではないか、と思う。「将来~をしたいから、今は…をやらなければいけない」と自ら考え答えを出していくことすら難しい昨今に、さらにその根本の「生きるとは」「自分にとっての幸せとは」ということを考えさせられる話だった。それは何よりも、今回講師を引き受けてくださった神西さんが、その生き方を体現されているからこそ、生徒たちにも伝わるものだったのだろう。


















「本」は、自分の考えを足す(傍線を引く、書き込むなど)ことができる。電子書籍は書き込み等ができない、という意味で「本」として扱うには難しい。このようなものが流行するというのはもはや壊滅的な状況といえるのではないか。」
「バースデーリング」はことばを使わずにいかにコミュニケーションを正しく行えるか、を試すのに適当なゲームだが、実際にやってみると、自分のメッセージを相手に伝えることを考えてばかりだったり、自分の思い込みで並び順を決めてしまったりと、相手からのメッセージを適切に受け止めずに並んでしまった。その結果、間違いが発生していたようだ。コミュニケーションおいては傾聴・受容がいかに大切であるか、ということを確認することができた。
あらかじめ用意された図形は、「丸、三角、四角、字」のみで形成されている。ジェスチャーなど、口頭以外の手段で伝えることは一切許されず、最後に伝言された者が実際に伝えられたとおりの図形を描き、正解と比較する。
以前、中学生を相手に健康についての講演会をされた経験のある大角さんは、PowerPointを使って、結核とはどのような病気なのか?という問題から講義を始めた。
大角さんは、日本での研究・調査の他に、フィリピンでの感染症対策支援等を行ってきた。フィリピンは、アジア周辺ではトップクラスの結核患者数を有しており、フィリピン人にとって結核は、「日本で言う“風邪”のような、普通の病気」という印象を持っているが、実際は結核による死亡率は高く、「死が身近にある」と感じているのだそうだ。
「いすとりゲーム」では、上級生が下級生に気を遣いつつもしっかり自分も楽しむ環境を作るよう努めている姿が見られた。また、ゲーム中に行った自己紹介では皆、「あなたの○○だった体験は?」という講師からの抜き打ちの質問にも、惑うことなくしっかり5W1Hを基本に話していた。さすがは考学舎の生徒。

また、最終日は普段は講師が行っているスケジュール管理が参加者全員に任され、状況によっては帰りの電車に乗り損ねてしまう危険もありながら、皆で協力して最後の清掃まで完遂し、無事に時間どおりに帰途に就くことができた。

基本的には自分で学習プランを立て自分で時間を管理し学習した。自宅からしっかり課題を持参した者も、ほぼ手ぶら状態の者も、この夏休みの間に苦手な分野を克服しよう、と学習に励んだ。
昨年のキャンプで好評だったバーベキューを今年も実施した。今年は、ある高校生が「バーベキュー隊長」になり、必要な食材や設備、段取りにいたるまでを事前に考え、バーベキューに臨んだ。火起こしチームと食材加工チームに人員を配分したりと、綿密な計画を練っていたつもりだったが、実際に実施してみると、抜け落ちていた段取りやシミュレーションしきれていなかったところがあった。このようなことは当然起こることだが、想定していなかったことが起こったときに、どのような判断ができるか、というのはとても大切なことだと実感した。
バーベキューの片付けの後、キャンプ場内にある川へ足を運んだ。高校生が半数以上を占めているのだから、少し川に手や足をつけて遊ぶ程度だろう…と思いきや、全員、しっかり水着着用。川が見えた途端に中に飛び込み、全身ずぶ濡れになって大喜び。どうやら自然(川)には、人を惹きつける特別な力があるらしい。年齢に関係なく…。
今回のキャンプのメインプログラムである、二人組活動。前述したとおり、二人という最小の団体人数で、お互いがあらゆる面で無責任にならず、コミュニケーションをいかにとっていくか、ということが試されるプログラムだった。
前述のとおり、参加者に年長者かつキャンプ経験者が豊富だったため、講師がさほど動かない、予定に振り回されない、ゆったりとしたキャンプとなった。参加者はそれぞれ、日々の喧騒から離れて非日常の空気を存分に楽しむことができたと思う。また、みんなでキャンプを盛り上げていこう、という一体感も例年以上にあったように思う。