
今年の考学舎サマーキャンプは、参加者7名。最年少が12歳と全体の年齢が高く、更に比較的考学舎生活の長い、いわば「ベテラン」生徒が多い、という条件の中、3泊4日という例年より短い期間での協働生活を行った。 記
以上 |
実施場所について
サマーキャンプの実施場所である「楽の家」は、岡谷にて製糸業(養蚕)を営む商屋として利用されていた旧家を移築したものです。築100年以上の本格的な木造の建築物をご好意でお借りしています。
2010サマーキャンプの主なスケジュール
| 6:00 | 12:00 | 18:00 | 21:00 | |||||
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8月4日 |
生徒到着 | バーベキュー | 川遊び | 夕食 | ナイトハイク | |||
| 5日 | 起床・朝食 | 考学舎 夏の二人三脚 | 夕食 | |||||
| 6日 | 起床・朝食 | 勉強 | 昼食 | 勉強 | 自由 | 夕食 | 花火 | |
| 7日 | 起床・朝食 | 勉強 | 昼食 | 片付け | 解散・帰宅 | |||
実施内容
今年の東京の茹だるような暑さを忘れてしまうぐらい、キャンプ地・富士見町は快適な天候だった。日差しは強いものの、日本家屋の風通しの良さは、時に長袖を必要とするほどだった。

今年のサマーキャンプ参加者7名のうち、高校生が4名、小中学生が3名。非常に年齢バランスがよかった。また、サマーキャンプの経験が3回以上というベテランがほとんどだった。宿泊場所は異なるものの、キャンプの実情をよく知り慣れているため、誰が何を言わずともそれぞれが動くことができる反面、緊張感のなさが浮き彫りになってしまう危険も孕んで(はらんで)いた。
今回のキャンプのメインプログラムは、2日目に行った「考学舎・夏の二人三脚」。「昼食・学習・ネイチャーゲーム・運動」といった既定プログラムを、行動・コミュニケーション・判断に無責任になることが許されない「二人」(∗)という最小の団体人数で消化していく、というもの。異性・異年齢のパートナーとともに、いかにスムーズにコミュニケーションをとれるか、ということが試された。
(∗キャンプ直前に参加のキャンセルがあったため、一部変則的な組分けになった)
昨年導入した高校生による夜のミーティングは今年も実施、今年は更に、高校生による司会進行によって実施された。一日の反省や次の日に向けての打ち合わせを行った。このミーティングで取り決められたことには有意義なものが多かった。
また、最終日は普段は講師が行っているスケジュール管理が参加者全員に任され、状況によっては帰りの電車に乗り損ねてしまう危険もありながら、皆で協力して最後の清掃まで完遂し、無事に時間どおりに帰途に就くことができた。
起床後の朝活動については、夜の高校生ミーティングより提案された、「ハンカチおとし」「フルーツバスケット」を実施した。単純なゲームかと思いきや、ハンカチの落とし方やお題の提示にそれぞれ工夫して、肩で息をしてしまうほどの盛り上がりを見せた。「寝ている頭を起こす」という朝活動の目的は、しっかり達成された。
食事
| 朝食 | 昼食 | 夕食 | |
|---|---|---|---|
| 4日 | BBQ(全員) | 冷やし中華・豆腐サラダ(K.T) | |
| 5日 | ご飯・納豆・なめこ汁・卵焼き(K.M) | チームごと | ハヤシライス・フルーツヨーグルト(K.M) |
| 6日 | ロールパン・目玉焼き・ソーセージ・グリーンサラダ・ヨーグルト(C.I) | 豚丼・スイカ・野菜スティック(H.K) | ご飯・鮭のムニエル・にんじんのグラッセ・ポテトソテー(C.I) |
| 7日 | ホットドッグ・コーンスープ・スクランブルドエッグ・サラダ(K.M) | 焼きそば(H.K) |
( )内はシェフおよびスタッフのイニシャル


キャンプのメインイベントと言っても過言ではない食事作り。今年はシェフ制を採用しつつ、夕朝食ごとに構成員の替わるチーム制も同時採用した。シェフには毎回異なるサポートメンバーが与えられる、ということ。シェフは、レシピの考案・買出し・調理・盛り付け・後片付けまでを責務とした。
シェフは主に高校生。レシピを事前にしっかり作成してきた者、また、キャンプ恒例イベントとなった、講師の“大好物”である「納豆」を食事のメインに据えた上でその日のメニューを考える者、食材の買出しの前に冷蔵庫の中の残り物を調べてメニューを決める者…それぞれが個性的に、しっかり責務を全うした。
サポートメンバーも今回は誰一人として離脱することなくサポートする姿を見ることができた。シェフに指示されたときもそうでないときも、自分から役割を担って準備をしていた。講師は手出しの必要がほとんどなかった。
また、ご近所にお住まいのご夫妻には毎年さまざまな面でお世話になっているが、今年は家庭菜園できゅうりが豊作だったとのこと、「収穫しにいらっしゃい」というご好意に甘え、毎日のようにきゅうり収穫のために家庭菜園に足を運ばせていただいた。もぎたてのきゅうりの瑞々しさがあれば、ペットボトル飲料の必要は全くなかった。
勉強
今年のキャンパーには受験生がいないということもあり、小中学生は午前中に2時間、高校生は3時間、夜に1時間の学習と、比較的ゆったりした学習プログラムだった。
基本的には自分で学習プランを立て自分で時間を管理し学習した。自宅からしっかり課題を持参した者も、ほぼ手ぶら状態の者も、この夏休みの間に苦手な分野を克服しよう、と学習に励んだ。
これまでのキャンプでは考学舎での通常の学習姿勢同様、テーブルにパイプ椅子というスタイルでの学習だったが、「楽の家」は座卓スタイル。寺子屋のような雰囲気で学習することができたが、普段と違う座り方に慣れず、姿勢を崩してしまい頻繁に注意を受ける者もあった。日ごろの習慣がいかに大切か、ということを確認する良い機会だった。
また、夜の学習は高校生に課されたプログラムだったが、小中学生もそれぞれ持参した課題を手に、自習というかたちで自主的に参加していた。「皆がやっているのだから…」という理由で学習に参加していた小中学生もいたようだが、このような動機がキャンプ全体に一体感をもたらしていたようにも感じる。
午後の活動
立場川キャンプ場でバーベキュー・川遊び(1日目)
昨年のキャンプで好評だったバーベキューを今年も実施した。今年は、ある高校生が「バーベキュー隊長」になり、必要な食材や設備、段取りにいたるまでを事前に考え、バーベキューに臨んだ。火起こしチームと食材加工チームに人員を配分したりと、綿密な計画を練っていたつもりだったが、実際に実施してみると、抜け落ちていた段取りやシミュレーションしきれていなかったところがあった。このようなことは当然起こることだが、想定していなかったことが起こったときに、どのような判断ができるか、というのはとても大切なことだと実感した。
昨年は1時間以上を要した火起こしも、昨年の反省を生かして食材が加工されるより前にしっかり木炭に火をつけることができていた。何事も経験を積むということは大切だということを確認することができた。
バーベキューの片付けの後、キャンプ場内にある川へ足を運んだ。高校生が半数以上を占めているのだから、少し川に手や足をつけて遊ぶ程度だろう…と思いきや、全員、しっかり水着着用。川が見えた途端に中に飛び込み、全身ずぶ濡れになって大喜び。どうやら自然(川)には、人を惹きつける特別な力があるらしい。年齢に関係なく…。
ナイトハイク(1日目)
サマーキャンプ恒例となったナイトハイク。今年のメンバーは大半が「おどかし担当」で、「おどろき担当」が不在のため、盛り上がりに欠けるのでは…という懸念があった。
バーベキュー同様、ある高校生が「怪談師」に任命されており、「怖い話」からスタート。事前にインターネットでこの地域の怪談ネタを探していたあたりはさすが。独特の緊張感に包まれながら、ナイトハイクのコースへ。数年前に利用した牧草地周回コースだったが、記憶に残っている者は少なかった。
1人ずつ歩いていくか?という案も講師から出されたが、月明かりすら存在しない暗闇を独りで歩くことはさすがに全員が拒否。最終的には、1人につきパートナー1人を指名する「ドラフト制」で2人組をつくり、周回する、という案が参加者から出された。しかし、今回のキャンプ参加者は奇数。確実に1人があぶれる。指名されず独りになってしまうのは…それぞれ緊張しながらチームが作られていった。
指名を受けた者も、最後まで指名されなかった者も、「なぜこの人に指名されたのか…?(指名されなかったのか…?)」と、自分を見つめる良い機会になったようだ。
考学舎・夏の二人三脚(2日目)
今回のキャンプのメインプログラムである、二人組活動。前述したとおり、二人という最小の団体人数で、お互いがあらゆる面で無責任にならず、コミュニケーションをいかにとっていくか、ということが試されるプログラムだった。
プログラムの内容は、昼食のレシピ考案、食材の買出し、昼食づくり、2時間の学習、ネイチャーゲーム、スポーツ、薪集め、火起こし(雨天のため結局中止)、他己紹介。どの順番でプログラムを消化するかは、チームごとに決める。ただし、話し合いで全てを決める。全体を通していかにコミュニケーションをとれているかを講師が評価し、個人単位で採点をした。
コミュニケーションが上手にとれているチームは、全般的に行動が早かった。話がかみ合うと、すぐにそれぞれの役割の中で行動ができ、お互い気を配りながらいかにスムーズにプログラムを消化できるかを考えて動いていた。
相手が苦手なことに対して、どのように手を差し伸べると解決できるか…普段、教室ではあまり考えないことだが、それぞれいい勉強になったことと思う。
花火(3日目)
特に予定されてはいなかったものの、話し合いから実施することになった。今にも雨が降りそうな悪天候の中、スーパーで花火を購入し、最後の夜を楽しんだ。花火の選び方にはその人の性格が出るもので、「手持ち180本セット!」という欲深い花火を購入する者も。その影響で、結局は全てを堪能できないまま火種が尽きて終了した。
全体を通して
前述のとおり、参加者に年長者かつキャンプ経験者が豊富だったため、講師がさほど動かない、予定に振り回されない、ゆったりとしたキャンプとなった。参加者はそれぞれ、日々の喧騒から離れて非日常の空気を存分に楽しむことができたと思う。また、みんなでキャンプを盛り上げていこう、という一体感も例年以上にあったように思う。
その反面、スケジュールに甘えることが出来ないため、個人の責任で動かなければならない場面が多く、ひとりひとりがキャンプを形成しているのだという自覚が必要だった。そのことを感じ取って動けた者と、流されるままに動く者とが共存することになり、その差は歴然だった。日常生活の中での状況判断力がいかにして養われているか、ということが、このような場面に影響しているのだろう。
自由が与えられ、かつ限られた時間の中で、何を選択していくのか?また、集団の中のひとりとして、いかに自分の役割を考え行動していくのか?そのようなことを試され、自分なりの答えを選んで、その判断から得られる結果に納得ができたかどうか。自信を得られたかどうか。ひとりひとりが異なる結果を持ち帰ることができた、そんなキャンプだったのではないか、と思う。
参加スタッフの声
使い慣れた鈴木様宅は、今年から通年で居住されるようになったため、今まで、布団をお借りしていた「楽の家」で、初めて宿泊させていただいた。とにかく広い。男女の寝室も、勉強や活動に使う部屋も、何よりキッチンが広かったのは、3食自炊のキャンプ遂行にとってありがたいことだった。
最終日に生徒たちと話していると、「今回はあまり勉強しなかったね」という言葉が聞かれた。時間数としてはほぼ例年通りだったが、2人組での勉強や、夜の勉強など、例年と少し違った形で、また、彼らのペースで行われた分、少なかったように感じてもらえたようだ。
今回は、高校生を初め、お互いに我慢したり譲ったりしながら、いろいろなことを進める。という面が見られたキャンプだった。もちろん、周りが見えずに自分勝手なことをしてしまう場面もあったが、特に2人組での活動では、普段我慢したり譲ったりするところがなかなか見られない生徒でも、よく我慢し、譲り、協力して課題をこなしていた。この経験が日常生活の中で、少しでも役に立つことを祈る。
例年どおり、多くの方のご理解とご協力を頂きこのキャンプは事故なく行うことができた。この場を借りて心から御礼申し上げます。バーベキューの食材をご提供いただいた山崎料理研究所(レストランおまかせ亭)様、ほぼ全員が初めてだったきゅうりの収穫を体験させて頂き、何より毎日新鮮きゅうりを味あわせていただいた石井ご夫妻。4日間を見守ってくださった鈴木さん、そして、楽の家管理人の塚田裕さん、本当にありがとうございました。(S.S)
今回で3回目の参加となりました。ゆったりしたキャンプの中での私の役割は、車の運転、写真撮影、昼食の準備、そして学習指導をちょこっと…私のプライベートの休日とほとんど変わらない生活でした。
そのおかげで、参加者ひとりひとりの様子をゆっくり見せてもらうことができました。比較的小規模なキャンプなので、それぞれどんな動きをするかな…?と楽しみにしていましたが、仲良し同士でくっつきっ放しでもなし、かといって自分の世界に閉じこもるのでもなし。全体の流れを確認しながら、自分の役割を自分で探して全うしようとする一同の姿がそこにありました。
それぞれ言いたいことは言い、聞くべきところは聞く。こんなアットホームなキャンプは、世の中探し歩いても、そう簡単には見つからないないだろうなぁ、と思います。
来年、キャンプをすることになれば、受験生中心の「勉強合宿」になるでしょう。そんな夏を迎える前に、いろいろな意味で贅沢なときを過ごせたことを感謝しています。(H.K)




今年のサマーキャンプ参加者9名のうち、高校生が4名。しかもその全員が一度はこの地でキャンプを経験しているということもあり、今年は学年縦割りのチーム制を導入し、さまざまな活動を自分達で考えながら行っていくことにした。チーム制で行った活動は主に食事作りだったが、食事を要領よく作るためには、メニューの考案、買出し、役割分担など、チームワークが大いに生かされる場面が多く、高校生を中心に全員がチームのメンバーであるという意識を高くもって過ごすことができた。
また、午前中に勉強、午後と夜に活動というスケジュールは例年どおりだったが、夜の活動の後、高校生が集まり、一日の反省や次の日に向けての打ち合わせを行った。これがまた高校生のリーダー意識を高める要因になった。
これまでのシェフ制では、シェフになった生徒が孤軍奮闘して食事を作り、他の生徒には手伝うか手伝わないかの選択の自由が与えられていたため、シェフ以外の生徒は気付かない限りは何もしない、という人任せの状況になってしまっていた。今回は4,5名の限られた人数にそれぞれ役割と責任が与えられていたが、与えられていた役割以外にも気配りをして仕事を探す姿が見られたことはとてもよかった。また、食事を担当していないもう一方のチームも、ただ遊んでいるのではなく、食卓の準備をしたり、席順を決めるために「くじ」を作成したりしていたことも、またよかった。
考学舎サマーキャンプとしては初の試みである「バーベキュー」を、尾白川渓谷のキャンプサイトにて行った(食材提供:株式会社山崎料理研究所)。食材を適当な大きさに切り分ける「仕込み班」と、鉄板を火にかける「火おこし班」に分かれ、それぞれタイミングを見計らいながら作業を進めた。
今回のキャンプはチーム制を導入しているということから、チームで取り組める活動として、オリエンテーリングを数年ぶりに行った。高校生による事前ミーティングにより、食事班とは別に、活動班を新たに編成した。また、ただ番号札を探し回るだけでは面白くないので、ここは「国語の考学舎」らしく、国語学習の教材を用いての課題も用意された。しかし、さすが考学舎の生徒達、コボちゃんや諺を使った問題を難なく(?)解答した。経過時間、課題の出来を併せて最も優れていたチームにはささやかな賞品が贈られた。
年々ハードになりつつある登山だが、今年はソフト路線へ方向転換、ハイキングを行った。山梨県大泉にある天女山の山頂付近まで車で乗り入れ、山頂で昼食に持参したおにぎりを食してから出発。道中は息を切らすこともなく、終始おしゃべりに没頭。なだらかな山道を歩くこと1時間半、ゴール地点の清里清泉寮に到着した。
清里清泉寮といえば、昨年のキャンプで目的(搾乳体験)を達成できなかった場所。ハイキングもほぼ時間通りにゴールし、時間にも余裕があったため、「今年こそは乳絞りを」と心に決めていた有志で搾乳体験を行った。自分で搾った乳を試飲することは叶わなかったが、一年越しの念願が叶った後に頂いた清泉寮名物のソフトクリームには大満足だったようだ。
やはり同じメンバーで継続して何かを行うということは大切なことであると改めて知ることができた。


「キャッチ」を行う前に、ゲスト講師の浅田さんが来舎。コミュニケーションゲームから参加されるということで、ゲームを行う前にそれぞれ名札作りと自己紹介を行った。この時点で場の雰囲気は既に和んでいたため、「キャッチ」にて気持ちをほぐすことに全く時間を要さなかった。
