特別活動レポート

このページには考学舎の特別活動のレポート詳細を掲載していきます。
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特別活動レポート一覧

10サマーキャンプ

2010考学舎サマーキャンプ集合写真


今年の考学舎サマーキャンプは、参加者7名。最年少が12歳と全体の年齢が高く、更に比較的考学舎生活の長い、いわば「ベテラン」生徒が多い、という条件の中、3泊4日という例年より短い期間での協働生活を行った。
場所は避暑地小淵沢の隣の駅、信濃境駅から徒歩15分ほどの山荘、『楽の家』。これまで利用させていただいていた鈴木さん宅のすぐ上に位置する。建物の管理をされている塚田さんにはお礼申し上げる。

期  間 8月4日(水) から 8月7日(土)
参 加 者 生徒7名・スタッフ2名
宿泊先住所 長野県諏訪郡富士見町落合烏帽子3755-5 楽の家
食材提供 株式会社 山崎料理研究所
起   床 6時
消   灯 21時

以上

実施場所について

楽の家室内

サマーキャンプの実施場所である「楽の家」は、岡谷にて製糸業(養蚕)を営む商屋として利用されていた旧家を移築したものです。築100年以上の本格的な木造の建築物をご好意でお借りしています。

2010サマーキャンプの主なスケジュール

6:00 12:00 18:00 21:00

8月4日

    生徒到着 バーベキュー 川遊び 夕食 ナイトハイク
 5日 起床・朝食 考学舎 夏の二人三脚 夕食
 6日 起床・朝食 勉強 昼食 勉強 自由 夕食 花火
 7日 起床・朝食 勉強 昼食 片付け 解散・帰宅   

実施内容

今年の東京の茹だるような暑さを忘れてしまうぐらい、キャンプ地・富士見町は快適な天候だった。日差しは強いものの、日本家屋の風通しの良さは、時に長袖を必要とするほどだった。

学習風景
今年のサマーキャンプ参加者7名のうち、高校生が4名、小中学生が3名。非常に年齢バランスがよかった。また、サマーキャンプの経験が3回以上というベテランがほとんどだった。宿泊場所は異なるものの、キャンプの実情をよく知り慣れているため、誰が何を言わずともそれぞれが動くことができる反面、緊張感のなさが浮き彫りになってしまう危険も孕んで(はらんで)いた。

今回のキャンプのメインプログラムは、2日目に行った「考学舎・夏の二人三脚」。「昼食・学習・ネイチャーゲーム・運動」といった既定プログラムを、行動・コミュニケーション・判断に無責任になることが許されない「二人」(∗)という最小の団体人数で消化していく、というもの。異性・異年齢のパートナーとともに、いかにスムーズにコミュニケーションをとれるか、ということが試された。
(∗キャンプ直前に参加のキャンセルがあったため、一部変則的な組分けになった)

昨年導入した高校生による夜のミーティングは今年も実施、今年は更に、高校生による司会進行によって実施された。一日の反省や次の日に向けての打ち合わせを行った。このミーティングで取り決められたことには有意義なものが多かった。

学習の合間の風景また、最終日は普段は講師が行っているスケジュール管理が参加者全員に任され、状況によっては帰りの電車に乗り損ねてしまう危険もありながら、皆で協力して最後の清掃まで完遂し、無事に時間どおりに帰途に就くことができた。

起床後の朝活動については、夜の高校生ミーティングより提案された、「ハンカチおとし」「フルーツバスケット」を実施した。単純なゲームかと思いきや、ハンカチの落とし方やお題の提示にそれぞれ工夫して、肩で息をしてしまうほどの盛り上がりを見せた。「寝ている頭を起こす」という朝活動の目的は、しっかり達成された。

食事

  朝食 昼食 夕食
4日   BBQ(全員) 冷やし中華・豆腐サラダ(K.T)
5日 ご飯・納豆・なめこ汁・卵焼き(K.M) チームごと ハヤシライス・フルーツヨーグルト(K.M)
6日 ロールパン・目玉焼き・ソーセージ・グリーンサラダ・ヨーグルト(C.I) 豚丼・スイカ・野菜スティック(H.K) ご飯・鮭のムニエル・にんじんのグラッセ・ポテトソテー(C.I)
7日 ホットドッグ・コーンスープ・スクランブルドエッグ・サラダ(K.M) 焼きそば(H.K)  

( )内はシェフおよびスタッフのイニシャル

調理風景

ある日の夕食

キャンプのメインイベントと言っても過言ではない食事作り。今年はシェフ制を採用しつつ、夕朝食ごとに構成員の替わるチーム制も同時採用した。シェフには毎回異なるサポートメンバーが与えられる、ということ。シェフは、レシピの考案・買出し・調理・盛り付け・後片付けまでを責務とした。

シェフは主に高校生。レシピを事前にしっかり作成してきた者、また、キャンプ恒例イベントとなった、講師の“大好物”である「納豆」を食事のメインに据えた上でその日のメニューを考える者、食材の買出しの前に冷蔵庫の中の残り物を調べてメニューを決める者…それぞれが個性的に、しっかり責務を全うした。

サポートメンバーも今回は誰一人として離脱することなくサポートする姿を見ることができた。シェフに指示されたときもそうでないときも、自分から役割を担って準備をしていた。講師は手出しの必要がほとんどなかった。

また、ご近所にお住まいのご夫妻には毎年さまざまな面でお世話になっているが、今年は家庭菜園できゅうりが豊作だったとのこと、「収穫しにいらっしゃい」というご好意に甘え、毎日のようにきゅうり収穫のために家庭菜園に足を運ばせていただいた。もぎたてのきゅうりの瑞々しさがあれば、ペットボトル飲料の必要は全くなかった。

勉強

今年のキャンパーには受験生がいないということもあり、小中学生は午前中に2時間、高校生は3時間、夜に1時間の学習と、比較的ゆったりした学習プログラムだった。学習する手基本的には自分で学習プランを立て自分で時間を管理し学習した。自宅からしっかり課題を持参した者も、ほぼ手ぶら状態の者も、この夏休みの間に苦手な分野を克服しよう、と学習に励んだ。

これまでのキャンプでは考学舎での通常の学習姿勢同様、テーブルにパイプ椅子というスタイルでの学習だったが、「楽の家」は座卓スタイル。寺子屋のような雰囲気で学習することができたが、普段と違う座り方に慣れず、姿勢を崩してしまい頻繁に注意を受ける者もあった。日ごろの習慣がいかに大切か、ということを確認する良い機会だった。

また、夜の学習は高校生に課されたプログラムだったが、小中学生もそれぞれ持参した課題を手に、自習というかたちで自主的に参加していた。「皆がやっているのだから…」という理由で学習に参加していた小中学生もいたようだが、このような動機がキャンプ全体に一体感をもたらしていたようにも感じる。

午後の活動

立場川キャンプ場でバーベキュー・川遊び(1日目)

バーベキューの風景昨年のキャンプで好評だったバーベキューを今年も実施した。今年は、ある高校生が「バーベキュー隊長」になり、必要な食材や設備、段取りにいたるまでを事前に考え、バーベキューに臨んだ。火起こしチームと食材加工チームに人員を配分したりと、綿密な計画を練っていたつもりだったが、実際に実施してみると、抜け落ちていた段取りやシミュレーションしきれていなかったところがあった。このようなことは当然起こることだが、想定していなかったことが起こったときに、どのような判断ができるか、というのはとても大切なことだと実感した。

昨年は1時間以上を要した火起こしも、昨年の反省を生かして食材が加工されるより前にしっかり木炭に火をつけることができていた。何事も経験を積むということは大切だということを確認することができた。

川遊びの風景バーベキューの片付けの後、キャンプ場内にある川へ足を運んだ。高校生が半数以上を占めているのだから、少し川に手や足をつけて遊ぶ程度だろう…と思いきや、全員、しっかり水着着用。川が見えた途端に中に飛び込み、全身ずぶ濡れになって大喜び。どうやら自然(川)には、人を惹きつける特別な力があるらしい。年齢に関係なく…。

ナイトハイク(1日目)

サマーキャンプ恒例となったナイトハイク。今年のメンバーは大半が「おどかし担当」で、「おどろき担当」が不在のため、盛り上がりに欠けるのでは…という懸念があった。

バーベキュー同様、ある高校生が「怪談師」に任命されており、「怖い話」からスタート。事前にインターネットでこの地域の怪談ネタを探していたあたりはさすが。独特の緊張感に包まれながら、ナイトハイクのコースへ。数年前に利用した牧草地周回コースだったが、記憶に残っている者は少なかった。

1人ずつ歩いていくか?という案も講師から出されたが、月明かりすら存在しない暗闇を独りで歩くことはさすがに全員が拒否。最終的には、1人につきパートナー1人を指名する「ドラフト制」で2人組をつくり、周回する、という案が参加者から出された。しかし、今回のキャンプ参加者は奇数。確実に1人があぶれる。指名されず独りになってしまうのは…それぞれ緊張しながらチームが作られていった。

指名を受けた者も、最後まで指名されなかった者も、「なぜこの人に指名されたのか…?(指名されなかったのか…?)」と、自分を見つめる良い機会になったようだ。

考学舎・夏の二人三脚(2日目)

ネイチャーゲーム今回のキャンプのメインプログラムである、二人組活動。前述したとおり、二人という最小の団体人数で、お互いがあらゆる面で無責任にならず、コミュニケーションをいかにとっていくか、ということが試されるプログラムだった。

プログラムの内容は、昼食のレシピ考案、食材の買出し、昼食づくり、2時間の学習、ネイチャーゲーム、スポーツ、薪集め、火起こし(雨天のため結局中止)、他己紹介。どの順番でプログラムを消化するかは、チームごとに決める。ただし、話し合いで全てを決める。全体を通していかにコミュニケーションをとれているかを講師が評価し、個人単位で採点をした。

コミュニケーションが上手にとれているチームは、全般的に行動が早かった。話がかみ合うと、すぐにそれぞれの役割の中で行動ができ、お互い気を配りながらいかにスムーズにプログラムを消化できるかを考えて動いていた。

相手が苦手なことに対して、どのように手を差し伸べると解決できるか…普段、教室ではあまり考えないことだが、それぞれいい勉強になったことと思う。

花火(3日目)

特に予定されてはいなかったものの、話し合いから実施することになった。今にも雨が降りそうな悪天候の中、スーパーで花火を購入し、最後の夜を楽しんだ。花火の選び方にはその人の性格が出るもので、「手持ち180本セット!」という欲深い花火を購入する者も。その影響で、結局は全てを堪能できないまま火種が尽きて終了した。

全体を通して

真剣な表情前述のとおり、参加者に年長者かつキャンプ経験者が豊富だったため、講師がさほど動かない、予定に振り回されない、ゆったりとしたキャンプとなった。参加者はそれぞれ、日々の喧騒から離れて非日常の空気を存分に楽しむことができたと思う。また、みんなでキャンプを盛り上げていこう、という一体感も例年以上にあったように思う。

その反面、スケジュールに甘えることが出来ないため、個人の責任で動かなければならない場面が多く、ひとりひとりがキャンプを形成しているのだという自覚が必要だった。そのことを感じ取って動けた者と、流されるままに動く者とが共存することになり、その差は歴然だった。日常生活の中での状況判断力がいかにして養われているか、ということが、このような場面に影響しているのだろう。

自由が与えられ、かつ限られた時間の中で、何を選択していくのか?また、集団の中のひとりとして、いかに自分の役割を考え行動していくのか?そのようなことを試され、自分なりの答えを選んで、その判断から得られる結果に納得ができたかどうか。自信を得られたかどうか。ひとりひとりが異なる結果を持ち帰ることができた、そんなキャンプだったのではないか、と思う。

参加スタッフの声

使い慣れた鈴木様宅は、今年から通年で居住されるようになったため、今まで、布団をお借りしていた「楽の家」で、初めて宿泊させていただいた。とにかく広い。男女の寝室も、勉強や活動に使う部屋も、何よりキッチンが広かったのは、3食自炊のキャンプ遂行にとってありがたいことだった。

最終日に生徒たちと話していると、「今回はあまり勉強しなかったね」という言葉が聞かれた。時間数としてはほぼ例年通りだったが、2人組での勉強や、夜の勉強など、例年と少し違った形で、また、彼らのペースで行われた分、少なかったように感じてもらえたようだ。

今回は、高校生を初め、お互いに我慢したり譲ったりしながら、いろいろなことを進める。という面が見られたキャンプだった。もちろん、周りが見えずに自分勝手なことをしてしまう場面もあったが、特に2人組での活動では、普段我慢したり譲ったりするところがなかなか見られない生徒でも、よく我慢し、譲り、協力して課題をこなしていた。この経験が日常生活の中で、少しでも役に立つことを祈る。

例年どおり、多くの方のご理解とご協力を頂きこのキャンプは事故なく行うことができた。この場を借りて心から御礼申し上げます。バーベキューの食材をご提供いただいた山崎料理研究所(レストランおまかせ亭)様、ほぼ全員が初めてだったきゅうりの収穫を体験させて頂き、何より毎日新鮮きゅうりを味あわせていただいた石井ご夫妻。4日間を見守ってくださった鈴木さん、そして、楽の家管理人の塚田裕さん、本当にありがとうございました。(S.S)

今回で3回目の参加となりました。ゆったりしたキャンプの中での私の役割は、車の運転、写真撮影、昼食の準備、そして学習指導をちょこっと…私のプライベートの休日とほとんど変わらない生活でした。

そのおかげで、参加者ひとりひとりの様子をゆっくり見せてもらうことができました。比較的小規模なキャンプなので、それぞれどんな動きをするかな…?と楽しみにしていましたが、仲良し同士でくっつきっ放しでもなし、かといって自分の世界に閉じこもるのでもなし。全体の流れを確認しながら、自分の役割を自分で探して全うしようとする一同の姿がそこにありました。

それぞれ言いたいことは言い、聞くべきところは聞く。こんなアットホームなキャンプは、世の中探し歩いても、そう簡単には見つからないないだろうなぁ、と思います。

来年、キャンプをすることになれば、受験生中心の「勉強合宿」になるでしょう。そんな夏を迎える前に、いろいろな意味で贅沢なときを過ごせたことを感謝しています。(H.K)

09サマーキャンプ

2009考学舎サマーキャンプ集合写真


今年の考学舎サマーキャンプは、部分参加も合わせて参加者9名。ここ数年では最も人数が多く、またその全員がキャンプ参加経験がある、という条件の中で4泊5日の協働生活を行った。
場所は避暑地小淵沢の隣の駅、信濃境駅から徒歩15分ほどの山荘である。毎回別荘を快くお貸しくださる鈴木さんにお礼申し上げる。

期  間 8月4日(火) から 8月8日(土)(部分参加者あり)
参 加 者 生徒9名・スタッフ3名
宿泊先住所 長野県諏訪郡富士見町落合烏帽子3755-5
食材提供 株式会社 山崎料理研究所
起   床 6時
消   灯 21時

以上

実施場所について

外観一楽荘

サマーキャンプの実施場所である別荘は、もともと松本市内にあった1880年創業「鷹の湯」旅館の離れを移築した建物です。数々の著名な方が泊まり、文化的な価値もある建物を ご好意でお借りしています。

2009サマーキャンプの主なスケジュール

6:00 12:00 18:00 21:00

8月4日

    生徒到着 バーベキュー 川遊び 夕食
 5日 起床・朝食

勉強

昼食 オリエンテーリング 夕食 焚き火・ナイトハイク
 6日 起床・朝食 勉強 ハイキング(山頂で昼食) 夕食
 7日 起床・朝食 勉強 昼食 井戸尻考古館見学 夕食 花火
 8日 起床・朝食 勉強 昼食 片付け 解散・帰宅   

実施内容

キャッチボール今年のサマーキャンプ参加者9名のうち、高校生が4名。しかもその全員が一度はこの地でキャンプを経験しているということもあり、今年は学年縦割りのチーム制を導入し、さまざまな活動を自分達で考えながら行っていくことにした。チーム制で行った活動は主に食事作りだったが、食事を要領よく作るためには、メニューの考案、買出し、役割分担など、チームワークが大いに生かされる場面が多く、高校生を中心に全員がチームのメンバーであるという意識を高くもって過ごすことができた。
落書きまた、午前中に勉強、午後と夜に活動というスケジュールは例年どおりだったが、夜の活動の後、高校生が集まり、一日の反省や次の日に向けての打ち合わせを行った。これがまた高校生のリーダー意識を高める要因になった。
起床後の活動についても、例年は散歩または輪読を行っていたが、今年は生徒の発案により体と頭を起こすためのゲームを考案、実施をした。さまざまな学年の生徒が集まっているため、どの学年の生徒にも理解でき、楽しめるものになるようにルールを考えるなど、試行錯誤する上級生の姿勢がとてもよかった。

食事

  朝食 昼食 夕食
4日   BBQ(全員) 餃子・サラダ(A)
5日 納豆・スクランブルエッグ・ソーセージ(A) カレーライス(F.A) オムライス・サラダ・梨(B)
6日 トースト・ハムエッグ・サラダ(B) 山頂でおにぎり(全員) チーズハンバーグ・ベイクドポテト・みそ汁(A)
7日 焼き鮭・みそ汁(A) そばめし(H.K) 焼肉・サラダ・みそ汁(B)
8日 トースト・スクランブルエッグ・ソーセージ・フルーツパンチ(B) ナポリタン(S.S)  

( )内は担当チームおよびスタッフのイニシャル
調理風景

キャンプのメインイベントと言っても過言ではない食事作り。今年は個人で一回の食事を担当する「シェフ制」ではなく、参加者を2チームに分けた「チーム制」で食事作りを行った。献立の考案、食材の買出し、調理、盛り付け、後片付け、という作業をどのように役割分担してそれぞれ責任をもってこなすことができるか、ということを自分達で考えることがチーム制導入の目的。
調理風景これまでのシェフ制では、シェフになった生徒が孤軍奮闘して食事を作り、他の生徒には手伝うか手伝わないかの選択の自由が与えられていたため、シェフ以外の生徒は気付かない限りは何もしない、という人任せの状況になってしまっていた。今回は4,5名の限られた人数にそれぞれ役割と責任が与えられていたが、与えられていた役割以外にも気配りをして仕事を探す姿が見られたことはとてもよかった。また、食事を担当していないもう一方のチームも、ただ遊んでいるのではなく、食卓の準備をしたり、席順を決めるために「くじ」を作成したりしていたことも、またよかった。
そして何よりも、リーダーシップを発揮した高校生。下級生に役割を全うさせる大切さを味わっただろう。自分で作った料理を褒められたときの、その達成感に満ちた表情がとても印象的だった。
責任を果たすということがいかに大切であるか、そして積極的に物事に関わっていくことは結構楽しいことだということを実感できた。

勉強

学習

小学生は午前中に2時間、中学生は3時間の学習時間があった。自宅からしっかり課題を持参した者も、ほぼ手ぶら状態の者も、この夏休みの間に苦手な分野を克服しよう、と学習に励んだ。中には皆で机を囲んで勉強するという状況に興奮してしまい自分の学習に集中できない生徒もいたが、講師から叱咤激励されながらそれぞれが与えられた時間を大切に過ごすことができた。
また、高校生は午前中に3時間の学習時間があり、自分で学習計画を立てて自習を行い、夜の活動後、高校生による話し合いの時間の後に補習の時間を設け、理解不足や質問事項を解消した。
5日間のキャンプとは言え、学習にかけられた時間は8~15時間。これを短かったと判断するか、それとも十分に勉強することができたと判断するかは、各生徒のキャンプへの心構え次第だったのではないかと思う。

午後の活動

尾白川渓谷でバーベキュー(1日目)

バーベキュー考学舎サマーキャンプとしては初の試みである「バーベキュー」を、尾白川渓谷のキャンプサイトにて行った(食材提供:株式会社山崎料理研究所)。食材を適当な大きさに切り分ける「仕込み班」と、鉄板を火にかける「火おこし班」に分かれ、それぞれタイミングを見計らいながら作業を進めた。
 キャンプ前、数名の生徒から「学校の行事で火おこし体験をしたから余裕」という話が出ていたため、早々に着火できるのではないか、と安心していたが、その予想は大きく覆された。
火が木に燃え移る以前に、「種火から少しずつ火を大きくしていく」という火おこしの大原則を理解している生徒は1人もおらず、種火をいきなり木炭に着火させようとしたり…。火が点かなければ昼食にならないため、仕方なく、普段は見守るばかりの講師から数点のアドバイスを受け、火起こし作業を行うこと1時間、ようやくバーベキューを行える状態になった。
大きな肉の塊やエビ、焼きそばなど、今キャンプ一番のご馳走を堪能できた。

オリエンテーリング(2日目)

オリエンテーリング今回のキャンプはチーム制を導入しているということから、チームで取り組める活動として、オリエンテーリングを数年ぶりに行った。高校生による事前ミーティングにより、食事班とは別に、活動班を新たに編成した。また、ただ番号札を探し回るだけでは面白くないので、ここは「国語の考学舎」らしく、国語学習の教材を用いての課題も用意された。しかし、さすが考学舎の生徒達、コボちゃんや諺を使った問題を難なく(?)解答した。経過時間、課題の出来を併せて最も優れていたチームにはささやかな賞品が贈られた。

焚き火(火おこし)・ナイトハイク(2日目)

初日に予定されていた夜の活動「ナイトハイク」が諸事情により行えなかったため、2日目の夜には二つの活動をなんとかして行いたい、と生徒からの意見が出た。
一夜で二つの活動を遂行するための条件は「予定されている時間内に終われること」と「皆でしっかり協力すること」の二つ。生徒達はこの日、夜の活動の時間をしっかり確保するために、朝からお互い声をかけ合い、上級生は的確な指示を下級生に与え、メリハリのある生活を心がけた。その結果、夜の活動のための時間をしっかり確保することができた。
初日のバーベキューの際には苦労した火おこしも、コツを掴んだ生徒数名のがんばりによって短時間で点火することができ、ナイトハイクを行うだけの時間を作ることができた。
ただ、満月のおかげでナイトハイクに必須の「真っ暗闇の恐怖」を得られず、期待どおりに楽しむことができなかった。
この日の夜の活動で、普段の生活でいかに時間を無駄に使っているかということ、そして月明かりだけでものを見ることができるということを学ぶことができた。

ハイキング(3日目)

ハイキング年々ハードになりつつある登山だが、今年はソフト路線へ方向転換、ハイキングを行った。山梨県大泉にある天女山の山頂付近まで車で乗り入れ、山頂で昼食に持参したおにぎりを食してから出発。道中は息を切らすこともなく、終始おしゃべりに没頭。なだらかな山道を歩くこと1時間半、ゴール地点の清里清泉寮に到着した。

牧場体験(3日目)

乳搾り清里清泉寮といえば、昨年のキャンプで目的(搾乳体験)を達成できなかった場所。ハイキングもほぼ時間通りにゴールし、時間にも余裕があったため、「今年こそは乳絞りを」と心に決めていた有志で搾乳体験を行った。自分で搾った乳を試飲することは叶わなかったが、一年越しの念願が叶った後に頂いた清泉寮名物のソフトクリームには大満足だったようだ。

井戸尻考古館見学(4日目)

宿舎から車で数分のところにある井戸尻遺跡は、縄文時代農耕開始説の発祥の地。歴史的にも価値ある施設が間近にあるということで、過去にも見学に行ったが、その時は見学も数分で終了し、不評だった。4日目の午後は天候も不良だったため、急遽、再度見学をしてみることに決定。
現地に到着するまでは「暇つぶし」程度にしか考えていなかった生徒達も、いざ見学を始めると、遺産・文化財の数々に興味深々。目を丸くして食い入るようにして見学した。以前、見学した際は「つまらない」ばかりだったが、数年という歳月が生徒の目と心を成長させたのだろう。

花火(4日目)

夜の恒例行事となった花火。「少し物足りないくらいがちょうどよい」ということで、手持ちの花火をそれぞれ楽しんだ。打ち上げ花火などの刺激的な花火の醍醐味もあるが、キャンプの思い出の一つとして刻み込むには十分に楽しい時間となった。

全体を通して

勉強

キャンプ中、さまざまな場面でお互い助け合う光景をよく目にした。「困っている人がいたら助ける」「自分ができることはないかを探す」、当たり前のことのように思えることも、「俺に関係のないことはしない」という姿勢で普段の生活を送っている者には極めて難しいことだろうと思う。講師から特にアドバイスを受けるでもなく、自発的にそのようなことを行えるようになっていたことに、一人ひとりの成長を感じることができた。生活の中で孤独になる生徒もなく、その上でそれぞれ与えられた役割に責任をもってのぞむ姿勢、また活動内容についてもそれぞれ意見を述べて、活動をよりよくしようという姿勢に、キャンプそのものの成熟も感じられた。フライングディスクやはり同じメンバーで継続して何かを行うということは大切なことであると改めて知ることができた。
今後行われるキャンプがよりよいものとなるために、生徒には何に対しても目的意識を持っていただきたい。ただ参加する、とにかく楽しむ、というだけではなく、一つ一つの活動に対して、このプログラムにはどんな目的があるのか、このプログラムで自分はどう成長することができるか、というようなことを考えながら活動を盛り上げていっていただければ、より充実したキャンプ生活を送ることができるようになると思う。

参加スタッフの声

今回のキャンプは、初めて、小学生から高校生まで4・5名でのチームを作り、チーム内で意思決定をし活動した。当初、チーム内での意思決定はうまく働かず、特定の者の意見だけで動くかに思えたチームも、2日目・3日目と日を経るにつれ、内部で話し合いのようなものが行われ、意思決定が行われるようになった。
また、消灯後の高校生の話し合いは、脱線も多かったが、後半ではかなりざっくばらんな意見も出し合い、キャンプに主体的に参加し、キャンプを動かしていく高校生の姿を見ることができた。
その一方で、小中学生に少し甘えが出てしまったかもしれない。考え、行動する高校生と、おまかせの小中学生。となってしまったのは残念だった。しかし、この高校生の姿を見ている小中学生はきっと、来年以降、自分たちでキャンプを動かしてくれることだろう。
最後に、毎年快く場所をお貸しくださる鈴木さま・食材を提供くださる株式会社山崎料理研究所さまに、この場を借り、深く御礼申し上げる。(S.S)

今回は継続して参加している子供達(初めてのキャンプの時は小学生だった子が今や高校生!)の成長ぶりを感じることができた。
他でも触れている通り、高校生をリーダーとした「チーム制」の導入が大きかったと思う。参加者の年齢に合わせてカリキュラムを組めるのが、考学舎の少人数キャンプの良いところでもある。スタッフとしては、あまり手を差し伸べる必要もなく、見守るだけでよかったので今までになく楽をさせて貰った。以前は、台所に立って包丁を持つ姿を見るだけでハラハラしたものだったけれど…。
とは言え、やはり問題は起こるもの。決まりきった対処法ではなく、「自分で考え、行動して、その責任を持つ」事をその問題から学んでいって欲しいと思う。
今年も子供を連れて参加させて頂いた。1歳で初めてキャンプを訪れた息子が今や7歳。彼にとってキャンプでの経験が大きな糧となっているのは間違いない。有難うございました。(F.A)

前回のサマーキャンプは初参加ということで、皆さんのありのままの姿を見させていただきました。今回は、皆さんがこの一年でどのように成長したのかを見比べることができました。それぞれ、成長したところと変わらないところを持ち合わせていることが確認でき、今後の成長のよい参考になりました。何かトラブルがあったときに、個人として、そして集団として、それぞれどのような判断、対応ができるかということについて考えさせられる機会が多くありました。このようなことに皆でもっと取り組んで、より成熟したキャンプにしていければいいな、と思います。ありがとうございました。(H.K)

水遊び夜学習水遊び

09春の企画3

5月30日に連続ゲスト講義の第3回目を実施しました。
この日のゲスト講師は、写真家の浅田政志さん。
昨年度、木村伊兵衛写真賞を受賞され、写真展や取材などで多忙を極める中、
合間を縫ってゲスト講義のために来てくださいました。
普段のゲスト講師よりも若い世代である浅田さんの話は、生徒にどのように伝わるでしょうか。
お話の前にはコミュニケーションゲームを実施しました。

目   的: 自分の将来を考える
日   時: 2009年5月30日 14時から16時まで
会   場: 考学舎(渋谷区渋谷1-7-5-503)
ゲスト講師: 浅田 政志さん
内   容: 前半 コミュニケーションゲーム
後半 浅田 政志さんより、写真家の仕事についてのお話・質疑など
受 講 料: 1,000円 (通年で通っている方は毎月の授業料に含まれています)

以上


 
 

コミュニケーションゲーム (14:00開始)

ゲスト講義の前に、毎回簡単なコミュニケーションゲームを実施している。
今回は連続ゲスト講義の3回目ということで、集合した生徒も皆顔見知りということもあり、雰囲気を作るほぐしゲームは少なめに、そして年長の生徒が多いということで、生徒自らが発表する形態の企画を用意した。
因みに、参加者には事前に「思い出に残る一枚の写真」を持参するように通達されている。

「キャッチ」

全員で円座になり、左手の人差し指を立て、右手の人差し指と親指で円をつくり、隣の人のつくった円に右手の人差し指を差し込む。
 司会の「キャッチ!」という掛け声に合わせて右手人差し指を抜き、左手の円を握る。うまく抜けられるか掴まえられるかを競い合う。

「“あのときの一枚”その1」

各自が持参した写真を回収し、シャッフルして配る。自分のものではない誰かの写真をもとに、「5W1H」を用いてその写真にどんなストーリーがあるのかを想像し、皆の前で発表する。

「“あのときの一枚”その2」

回収された自分の写真を手元に戻し、その写真にどんな思い出があるのかを皆の前で発表する。発表の際は、やはり「5W1H」を用いて、いかに周囲に共感してもらえるかを考慮する。

講義風景2「キャッチ」を行う前に、ゲスト講師の浅田さんが来舎。コミュニケーションゲームから参加されるということで、ゲームを行う前にそれぞれ名札作りと自己紹介を行った。この時点で場の雰囲気は既に和んでいたため、「キャッチ」にて気持ちをほぐすことに全く時間を要さなかった。
「“あのときの一枚”その1」は、その場で写真を渡されたためストーリーを考える時間が短く、難しいと感じる生徒が多かったが、それでも全員が架空のストーリーを考え、中には「オチ」まで付け加える生徒もいた。
「“あのときの一枚”その2」では幼少の頃の記憶を手繰り寄せながら話す人や、「持って来られる写真、これぐらいしかなかった」と最近の写真を持参する人もいたが、聞き手に伝わるように考えながら話す姿勢がとても好印象だった。
最後に、ゲストの浅田さんにそれぞれが考えたストーリーについて評価していただいた。

 
 

浅田政志さんのお話・質疑(15:00開始)

後半は浅田政志さんからお話を伺った。

浅田政志さんプロフィール

浅田さんは、1979年三重県出身、今年で30歳を迎える。2000年に日本写真映像専門学校を卒業後、2007年に東京にて写真家として独立した。2009年、写真集『浅田家』(2007年・ユトレヒト/2008年・赤々舎)で木村伊兵衛写真賞を受賞。

写真集『浅田家』について

ゲスト講師1

浅田さんが一躍有名になるきっかけとなった写真集『浅田家』の説明から講義は始まった。浅田さんが手に広げる写真集に、一同の目は釘付け。「消防士」や「ライブステージ」など、ユーモアセンス溢れるシチュエーションがとても面白かったからだろう。
『浅田家』は、浅田さんが写真専門学校の学生時代、学校から出された課題に迷っていたときに家族写真を採用したのが始まりで、それ以来、7年の歳月をかけて撮り貯めた家族写真を作品にしたものだ。現在もなお家族の写真を撮り続けているが、この撮影にはルールがいくつかある。一番大切なのは、「お金をかけない」ということ。シチュエーションを作るために衣裳を買ったりはせず、場所の提供もお願いすると案外快く貸してくださる、とのこと。また、一日のうちに4つのシチュエーションの撮影が可能だが、その前提として「家族の協力」が重要で、ひとりでも調子が合わなければ、その日は撮影ができない。

写真集『浅田家』から得たもの

『浅田家』の写真を撮影する当日、浅田さんご一家は一日中一緒にいるため、写真を通して家族とのコミュニケーションが活発になり、全員の気持ちが一致するようになった。その結果、家族がとても仲良くなった、という。
浅田さんが中学生・高校生の頃は、家族は「ウザイ」存在だったそうだが、写真家になって家族写真を撮るようになってからは家族が仲良くなったのが一番の収穫だった、と考えている。この作品で『木村伊兵衛写真賞』を受賞したが、もしこの賞を受賞できていなくても、『浅田家』は大成功の写真集だった、と浅田さんは考えている。

写真とは…

講義風景1

また、浅田さんは「記憶と写真」の関係について話された。記憶というものは、どんな些細なものでも失われることはなく、そのとき必要な記憶だけが引き出されるようになっている。私達は過去に撮った写真を見て、私達の中に眠っていた記憶を蘇らせることができるし、また、今撮っている写真は、私達の将来にとって大事なものを引き出してくれるものになるかもしれない。
また、家族にとって写真は多大な影響を与えるもの。家族というのは普段は空気のような存在で、一緒に生活し過ぎていることによって家族に何の感情も持ち合わせなくなっていく。しかし、過去に撮った家族写真が、家族のありがたみを知るきっかけになってくれることもある。

浅田さんの経験

浅田さんは、いわゆる「受験勉強」「学習」というものをしたことがない、という。推薦で入学した高校で写真部に入部し、そのときから「自分は写真で生きていく」と決めたが、写真の専門学校卒業後、写真家にはならず地元に帰りギャンブルで生活をする毎日を送っていた。しかし、大金が手に入ってもこの生活には未来がなく、逆に虚しさばかりが残るようになった。そして一念発起して東京のフォトスタジオでアシスタントをするようになったのだそうだ。
この一連の経歴には生徒一同驚きを隠せなかった。ギャンブル生活に浸ってしまっていながら、その生活から足を洗って現在のような活躍をされていることに感心したようである。

写真家として

浅田さんはフォトスタジオでのアシスタントを2年間続けた後、写真家として独立した。当初は仕事が全くなく、生活は苦しかった。しかし、自分がやりたいことを出来ている、という充実感が何よりも写真家としての浅田さんを支えるものになったのだそうだ。
自分が撮りたい写真ではない「仕事の写真」の撮影もあるそうだが、そのような撮影に求められていることの中に自分のこだわりをどれだけ込められるか、ということを真剣に考えるのがとても楽しい、という。

 
 

質疑応答

ゲスト講師2

等身大のお話に終始した浅田さんには、生徒からの質問も単刀直入なものが多く、仕事に対する感情から結婚観に至るまでの幅広い質問に、正面から答えてくださった。また、今後どのような写真を撮っていきたいか、という質問には、「自分の家族だけでなく、他の家族の写真もとっていきたい」と応答された。「家族の数だけ幸せや理想のカタチがある。それをたくさん写真に収めたいんです」と付け加えられたところで、楽しい時間は閉じられた。

 
 

アンケート

前半のゲームについては、生徒のほとんどが「楽しかった」「むずかしかった」の両方に高いポイントを付けていた。後半のお話は、「楽しかった」との答えが多く、「緊張しなかった」と答える生徒も多かった。
また今回は、前回の反省を踏まえ、アンケートを書くための時間を設けたが、流れの中での時間だったため結局一部はこれまでと同様のコメントしか書けなかった。今後は、アンケートを書く時間の設け方に更に工夫を加える必要がある。

 
 

振り返り

コミュニケーションゲーム

講義風景3

「あのときの一枚」では、その場で主旨を説明され、考える時間もそれほどなかったが、全員が主旨をよく理解し、中には「さすがは考学舎の生徒!」という発表もあった。発表を聴く側の態度もよかった。

浅田さんのお話

浅田さんは最初から最後まで気取ることがなく、等身大で話をしてくださった。学ぶこと、働くこと、生きていくことについて、生徒たちと同じ目線で話してくださった。また、講義形式ではなく対話形式を望まれたため、生徒が話を聞く姿勢にも積極性が見られた。

09春の企画2

4月18日に連続ゲスト講義の第2回目を実施しました。
この日のゲスト講師は、経営コンサルティング会社を経営している岸伸久さん。
大人でも具体像がつかみにくい「経営コンサルタント」と、生徒達がどんな歩みよりを見せるのか。
また2週連続の講義で生徒達に変化はあるのか。
予想がつかない分、高まる期待感の中での開講でした。
お話の前にはコミュニケーションゲームを実施しました。

目   的: 自分の将来を考える
日   時: 2009年4月18日 14時から16時半まで
会   場: 考学舎(渋谷区渋谷1-7-5-503)
ゲスト講師: 岸 伸久さん
内   容: 前半 コミュニケーションゲーム
後半 岸 伸久さんより、経営コンサルタントの仕事についてのお話・質疑など
受 講 料: 1,000円 (通年で通っている方は毎月の授業料に含まれています)

以上


 
 

コミュニケーションゲーム(14:00開始)

ゲスト講義の前に、毎回簡単なコミュニケーションゲームを実施している。
今回は普段の授業とは違う雰囲気の中での生徒の緊張をほぐし、また生徒同士の交流を深めるために、「楽しめる」ことを一番の目的とした。また後半にゲストのお話を集中して聴くためにも、様々な職業について楽しく考えられる趣向も凝らした。

「サイン集め」

まず、自分のサインを考える。参加者同士でサインを集めあい、全員のサインを集める。集まったサイン全てを床にばら撒く。自分のサインを全て回収してゲームを終了する。

「職業あてゲームその1」

職業名が書かれた紙を全員の背中に、本人には見えないように貼る。背中に書かれた自分の職業が何か、を他の参加者に質問して突き止める。質問には「はい」か「いいえ」でしか答えられない。全員が自由に動いて質問しあい、自分の職業を言い当てた者からゴールする。

「職業あてゲームその2」

前のゲームでゴールした順に、「自分の職業を言い当てる人」を一人ずつ務める。言い当てる者にのみ自分の職業が知らされない。他の参加者からの職業に関する質問(例えば、「何かを作る仕事ですか?」)に「はい」か「いいえ」で答える。答に対する反応を見ながらヒントを得て、自分の職業を言い当てる。

職業当てゲーム

「サイン集め」は、ほぐし、と他の生徒に声をかけるきっかけ作りとなった。
ばらまいたサインを集める場面では、予想以上に生徒達の動きが多く騒々しくなった。結果、場の雰囲気がかなり和んだ。
「職業あてゲームその1・その2」は、職業について考える、効果的な質問を考える、と考える要素が多いゲームだった。他の生徒からの助け(質問や回答)がないとゴールできない、という設定がグループとしての一体感も生んだ。
初対面の者同士もいる中、参加者を巻き込みながら、進行と共に自発的な参加を促すことができた。

 
 

岸伸久さんのお話・質疑(15:20開始)

後半は岸伸久さんをお迎えして、お話を伺った。

 
 

アンケート

話を聴く

前半のゲームについては、「楽しかった」が多く、「むずかしかった」と感じた生徒は少なかった。
後半のお話については、話が面白かったと感じた生徒と難しかった、と感じた生徒と二手に分かれた。
毎回のことであるが、コメントが少ないのが残念である。
今後アンケート記入の時間を長くする、全員でふりかえる時間をもうける等の改善が必要だろう。

09春の企画1

4月11日にゲスト講義を行いました。
考学舎創立10周年を記念して、連続ゲスト講義の第一弾です。
今回のゲストは、朝日新聞東京本社生活グループ記者の浜田陽太郎さんです。
この日もゲスト講義直前まで勤務してから来舎くださいました。
お話の前にはコミュニケーションゲームを実施しました。

目   的: 自分の将来を考える
日   時: 2009年4月11日 14時から16時半まで
会   場: 考学舎(渋谷区渋谷1-7-5-504)
ゲスト講師: 浜田 陽太郎さん
内   容: 前半 コミュニケーションゲーム
後半 浜田 陽太郎さんより、新聞記者の仕事についてのお話
受 講 料: 1,000円 (通年で通っている方は毎月の授業料に含まれています)

以上


 

前半:コミュニケーションゲーム (14:00開始)

生徒が一同に会する特別企画の場を利用し、前半は毎回グループならではの活動を実施している。今回は短時間でできる単純なゲームと、今回のゲストの方の新聞記者という職業を意識した作業を行った。

「名刺交換」

自分の名前を書いたカードを各自が参加人数分用意し、「あいさつ→カードの交換→握手」の順で挨拶を交わす。これを全員と行い、早く交換し終えた順に並び、サークルをつくる。

「キャッチ」

サークルになった状態で、右手を筒状、左手人差し指だけを立て、隣の人の右手の筒の中に左手人差し指を入れる。司会者の「キャッチ!」という掛け声と同時に、左手は抜き、右手の筒を握る。左手が隣の人の右手に掴まらず、右手が隣の人の左手を掴まえられた人が勝ち。

「たこはち」

サークルの状態で、1から8までの数字をひとりずつ順番に唱えていく。そのとき、「3」を唱える人は「さんま!」、「8」を唱える人は「たこはち!」と叫びながら、特定の動きをしなければならない。1から8までを2巡できたら終わり。

「他己紹介」

二人組になってお互いの名前、学年、好きなことを3つ、それぞれインタビューをし、相手のことについて皆に紹介する。また、これまでの生い立ちや今後の夢もインタビューし合い、その紹介内容について、新聞記者さながらに記事を仕上げ、発表する。

 
他己紹介

「名刺交換」は、お互いの名前を知るということの他に、ゲスト講義の主旨に伴い、社会人の挨拶のしかたを擬似体験するというねらいも含め行った。
「キャッチ」「たこはち」は場の雰囲気を和ませるために行った。
最後の「他己紹介」は、この後のゲストが新聞記者の方であることから、インタビューすることやその内容を記事にするためにはどんな苦労や工夫が必要であるのかを考える機会にできれば、というねらいで行った。
いずれのゲームも、全員が積極的に参加することができ、後半の講義に向けて心地よい雰囲気と姿勢をつくることができた。

 
 

浜田陽太郎さんのお話・質疑 (15:45開始)

前半は浜田陽太郎さんのお話を伺った。

《概要》

浜田さんは午前中まで勤務だったということで、スケジュールの合間を縫ってゲスト講義に来てくださった。
ちょうどこの日の夕刊で、トップ記事の「差し替え」が行われた、ということで、まだ配達もされていないであろう新聞の「ゲラ刷り」(試し刷り)を実際に見せてくださった。同時に、地域によって印刷に出す時間が異なる、という「版」についての話もしてくださり、実際にこの日の夕刊は特に、記事の差し替えの影響で地域によってトップ記事が全く異なる、という面白い現象が起きたのだそうだ。

記者としての実績

浜田さんは次に、実際にご自身が書かれた記事から話をされた。
仙台支局に配属された新人時代の失敗談、休日でも急な取材のために四六時中待機していなければならないという事件・事故取材班時代の苦労話、また、2001年留学先のアメリカ滞在時にちょうど起きた同時多発テロの取材、首相官邸に配属され小泉首相の外遊に随行して政府専用機に搭乗したときの話など、経験談は多岐にわたった。

新聞記者のメリット・デメリット

浜田さんは、新聞記者とはどんな仕事であるかを説明してくださった。
政府専用機に乗ることができるなど、普通の人には体験できないようなことを体験できるそうだ。その反面、休日も返上して必要以上の情報を取材等を通して取得しなければいけない。また、そうして得た情報をもとに作成した記事には絶対に間違いがあってはならない、というプレッシャーもあると話された。

新聞は必要か?

講師

また、昨今は新聞離れの問題が深刻だ、とも話された。
このため、記者はよりたくさん取材をし、紙面を格好よく作る努力をし、また身近な話題をいかにやわらかく、かつやさしく作るか、ということが課題である、という。このようなことを通して、「新聞は本当に必要なのか?」ということにも触れてくださった。浜田さんはこのことについて「確かにテレビやネットが普及している今、新聞の必要性は薄れてきているが、情報を正確に、公平に伝達する人は必要であるし、“やっぱり文字で確認したい”という人もまだまだいる」と、新聞および記者という仕事の必要性を説いてくださった。

 

質疑応答

ある生徒が、「遺族に取材するというのは、どういう気持ちですか?」という質問をした。これに対し浜田さんは、「遺族からの話が必要であるかというとそうではないかもしれないし、嫌がる遺族から話を聞く、というのはやはりつらいものがある。しかし、遺族の中には、逆に話を聞いてほしい、という方もおり、こればかりは正解というものはありません」と応答されたのが印象的だった。

 
 

アンケート結果

前半のコミュニケーションゲームで行った他己紹介については、記事を書くのが難しかった、との感想を持つ生徒が多かったが、同時に他の人のことをよく知ることができてよかった、との意見も多かった。また、浜田さんのお話は、具体的でわかりやすかった、という感想が多かったが、新聞および新聞記者という仕事に興味を持った生徒は少なかったようだ。

 
 

ふりかえり

コミュニケーションゲーム

記事作り

今回は特に、後半の講義に繋がるゲームとして、他己紹介を新聞記事風に作成する、という方法を用いた。それぞれ他己紹介をした後のフィードバックでは、インタビューしたものを文章にするのは口頭で伝えるのとは違っていたと感じ、また、インタビューで得た情報全てを記事にするのではなく、与えられた情報の中から取捨選択して記事にしていく工夫に難しさを感じたりもしていた。新聞記事を日々作成している記者の仕事を擬似的ながらも体験して講義に臨んだため、新聞記者の仕事をより身近に感じるきっかけになったのではないか。

浜田さんのお話・ワークショップ

浜田さんは、新聞記者になった動機や新聞記者とはどういう仕事か、ということについてはあまり触れず、自らの失敗談や苦労話などの経験談を中心に話を進められた。また、浜田さんが初めて執筆した記事をはじめ、多くの記事をプリントにしたものが事前に配られていたり、パワーポイントを使用して写真などを見せてくださった。そのため、小学生には少々馴染み難かっただろう今回の職業も、とても馴染みやすいものとして伝わったようだ。また、新聞記者という仕事柄、専門用語もわかりやすく端的に伝えてくださり、ひとにわかりやすく伝えるということについてとてもいい勉強になった。そして何よりも、休日でも現場に駆けつけて取材をしなければならないような激務をこなしている最中にあっても(実際、講義中に職場から連絡があった)、終始笑顔で講義を続けてくださり、仕事の大変さよりも、充実ぶりや仕事の楽しさが感じられる講義だった。
参加した生徒たちにとって、仕事をするということはこういうことなのか、という生きたモデルになったのではないかと思う。