
今年の考学舎サマーキャンプは、部分参加も合わせて参加者9名。ここ数年では最も人数が多く、またその全員がキャンプ参加経験がある、という条件の中で4泊5日の協働生活を行った。 記
以上 |
実施場所について

サマーキャンプの実施場所である別荘は、もともと松本市内にあった1880年創業「鷹の湯」旅館の離れを移築した建物です。数々の著名な方が泊まり、文化的な価値もある建物を ご好意でお借りしています。
2009サマーキャンプの主なスケジュール
| 6:00 | 12:00 | 18:00 | 21:00 | |||||
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8月4日 |
生徒到着 | バーベキュー | 川遊び | 夕食 | ||||
| 5日 | 起床・朝食 |
勉強 |
昼食 | オリエンテーリング | 夕食 | 焚き火・ナイトハイク | ||
| 6日 | 起床・朝食 | 勉強 | ハイキング(山頂で昼食) | 夕食 | ||||
| 7日 | 起床・朝食 | 勉強 | 昼食 | 井戸尻考古館見学 | 夕食 | 花火 | ||
| 8日 | 起床・朝食 | 勉強 | 昼食 | 片付け | 解散・帰宅 | |||
実施内容
今年のサマーキャンプ参加者9名のうち、高校生が4名。しかもその全員が一度はこの地でキャンプを経験しているということもあり、今年は学年縦割りのチーム制を導入し、さまざまな活動を自分達で考えながら行っていくことにした。チーム制で行った活動は主に食事作りだったが、食事を要領よく作るためには、メニューの考案、買出し、役割分担など、チームワークが大いに生かされる場面が多く、高校生を中心に全員がチームのメンバーであるという意識を高くもって過ごすことができた。
また、午前中に勉強、午後と夜に活動というスケジュールは例年どおりだったが、夜の活動の後、高校生が集まり、一日の反省や次の日に向けての打ち合わせを行った。これがまた高校生のリーダー意識を高める要因になった。
起床後の活動についても、例年は散歩または輪読を行っていたが、今年は生徒の発案により体と頭を起こすためのゲームを考案、実施をした。さまざまな学年の生徒が集まっているため、どの学年の生徒にも理解でき、楽しめるものになるようにルールを考えるなど、試行錯誤する上級生の姿勢がとてもよかった。
食事
| 朝食 | 昼食 | 夕食 | |
| 4日 | BBQ(全員) | 餃子・サラダ(A) | |
| 5日 | 納豆・スクランブルエッグ・ソーセージ(A) | カレーライス(F.A) | オムライス・サラダ・梨(B) |
| 6日 | トースト・ハムエッグ・サラダ(B) | 山頂でおにぎり(全員) | チーズハンバーグ・ベイクドポテト・みそ汁(A) |
| 7日 | 焼き鮭・みそ汁(A) | そばめし(H.K) | 焼肉・サラダ・みそ汁(B) |
| 8日 | トースト・スクランブルエッグ・ソーセージ・フルーツパンチ(B) | ナポリタン(S.S) |
( )内は担当チームおよびスタッフのイニシャル
キャンプのメインイベントと言っても過言ではない食事作り。今年は個人で一回の食事を担当する「シェフ制」ではなく、参加者を2チームに分けた「チーム制」で食事作りを行った。献立の考案、食材の買出し、調理、盛り付け、後片付け、という作業をどのように役割分担してそれぞれ責任をもってこなすことができるか、ということを自分達で考えることがチーム制導入の目的。
これまでのシェフ制では、シェフになった生徒が孤軍奮闘して食事を作り、他の生徒には手伝うか手伝わないかの選択の自由が与えられていたため、シェフ以外の生徒は気付かない限りは何もしない、という人任せの状況になってしまっていた。今回は4,5名の限られた人数にそれぞれ役割と責任が与えられていたが、与えられていた役割以外にも気配りをして仕事を探す姿が見られたことはとてもよかった。また、食事を担当していないもう一方のチームも、ただ遊んでいるのではなく、食卓の準備をしたり、席順を決めるために「くじ」を作成したりしていたことも、またよかった。
そして何よりも、リーダーシップを発揮した高校生。下級生に役割を全うさせる大切さを味わっただろう。自分で作った料理を褒められたときの、その達成感に満ちた表情がとても印象的だった。
責任を果たすということがいかに大切であるか、そして積極的に物事に関わっていくことは結構楽しいことだということを実感できた。
勉強
小学生は午前中に2時間、中学生は3時間の学習時間があった。自宅からしっかり課題を持参した者も、ほぼ手ぶら状態の者も、この夏休みの間に苦手な分野を克服しよう、と学習に励んだ。中には皆で机を囲んで勉強するという状況に興奮してしまい自分の学習に集中できない生徒もいたが、講師から叱咤激励されながらそれぞれが与えられた時間を大切に過ごすことができた。
また、高校生は午前中に3時間の学習時間があり、自分で学習計画を立てて自習を行い、夜の活動後、高校生による話し合いの時間の後に補習の時間を設け、理解不足や質問事項を解消した。
5日間のキャンプとは言え、学習にかけられた時間は8~15時間。これを短かったと判断するか、それとも十分に勉強することができたと判断するかは、各生徒のキャンプへの心構え次第だったのではないかと思う。
午後の活動
尾白川渓谷でバーベキュー(1日目)
考学舎サマーキャンプとしては初の試みである「バーベキュー」を、尾白川渓谷のキャンプサイトにて行った(食材提供:株式会社山崎料理研究所)。食材を適当な大きさに切り分ける「仕込み班」と、鉄板を火にかける「火おこし班」に分かれ、それぞれタイミングを見計らいながら作業を進めた。
キャンプ前、数名の生徒から「学校の行事で火おこし体験をしたから余裕」という話が出ていたため、早々に着火できるのではないか、と安心していたが、その予想は大きく覆された。
火が木に燃え移る以前に、「種火から少しずつ火を大きくしていく」という火おこしの大原則を理解している生徒は1人もおらず、種火をいきなり木炭に着火させようとしたり…。火が点かなければ昼食にならないため、仕方なく、普段は見守るばかりの講師から数点のアドバイスを受け、火起こし作業を行うこと1時間、ようやくバーベキューを行える状態になった。
大きな肉の塊やエビ、焼きそばなど、今キャンプ一番のご馳走を堪能できた。
オリエンテーリング(2日目)
今回のキャンプはチーム制を導入しているということから、チームで取り組める活動として、オリエンテーリングを数年ぶりに行った。高校生による事前ミーティングにより、食事班とは別に、活動班を新たに編成した。また、ただ番号札を探し回るだけでは面白くないので、ここは「国語の考学舎」らしく、国語学習の教材を用いての課題も用意された。しかし、さすが考学舎の生徒達、コボちゃんや諺を使った問題を難なく(?)解答した。経過時間、課題の出来を併せて最も優れていたチームにはささやかな賞品が贈られた。
焚き火(火おこし)・ナイトハイク(2日目)
初日に予定されていた夜の活動「ナイトハイク」が諸事情により行えなかったため、2日目の夜には二つの活動をなんとかして行いたい、と生徒からの意見が出た。
一夜で二つの活動を遂行するための条件は「予定されている時間内に終われること」と「皆でしっかり協力すること」の二つ。生徒達はこの日、夜の活動の時間をしっかり確保するために、朝からお互い声をかけ合い、上級生は的確な指示を下級生に与え、メリハリのある生活を心がけた。その結果、夜の活動のための時間をしっかり確保することができた。
初日のバーベキューの際には苦労した火おこしも、コツを掴んだ生徒数名のがんばりによって短時間で点火することができ、ナイトハイクを行うだけの時間を作ることができた。
ただ、満月のおかげでナイトハイクに必須の「真っ暗闇の恐怖」を得られず、期待どおりに楽しむことができなかった。
この日の夜の活動で、普段の生活でいかに時間を無駄に使っているかということ、そして月明かりだけでものを見ることができるということを学ぶことができた。
ハイキング(3日目)
年々ハードになりつつある登山だが、今年はソフト路線へ方向転換、ハイキングを行った。山梨県大泉にある天女山の山頂付近まで車で乗り入れ、山頂で昼食に持参したおにぎりを食してから出発。道中は息を切らすこともなく、終始おしゃべりに没頭。なだらかな山道を歩くこと1時間半、ゴール地点の清里清泉寮に到着した。
牧場体験(3日目)
清里清泉寮といえば、昨年のキャンプで目的(搾乳体験)を達成できなかった場所。ハイキングもほぼ時間通りにゴールし、時間にも余裕があったため、「今年こそは乳絞りを」と心に決めていた有志で搾乳体験を行った。自分で搾った乳を試飲することは叶わなかったが、一年越しの念願が叶った後に頂いた清泉寮名物のソフトクリームには大満足だったようだ。
井戸尻考古館見学(4日目)
宿舎から車で数分のところにある井戸尻遺跡は、縄文時代農耕開始説の発祥の地。歴史的にも価値ある施設が間近にあるということで、過去にも見学に行ったが、その時は見学も数分で終了し、不評だった。4日目の午後は天候も不良だったため、急遽、再度見学をしてみることに決定。
現地に到着するまでは「暇つぶし」程度にしか考えていなかった生徒達も、いざ見学を始めると、遺産・文化財の数々に興味深々。目を丸くして食い入るようにして見学した。以前、見学した際は「つまらない」ばかりだったが、数年という歳月が生徒の目と心を成長させたのだろう。
花火(4日目)
夜の恒例行事となった花火。「少し物足りないくらいがちょうどよい」ということで、手持ちの花火をそれぞれ楽しんだ。打ち上げ花火などの刺激的な花火の醍醐味もあるが、キャンプの思い出の一つとして刻み込むには十分に楽しい時間となった。
全体を通して
キャンプ中、さまざまな場面でお互い助け合う光景をよく目にした。「困っている人がいたら助ける」「自分ができることはないかを探す」、当たり前のことのように思えることも、「俺に関係のないことはしない」という姿勢で普段の生活を送っている者には極めて難しいことだろうと思う。講師から特にアドバイスを受けるでもなく、自発的にそのようなことを行えるようになっていたことに、一人ひとりの成長を感じることができた。生活の中で孤独になる生徒もなく、その上でそれぞれ与えられた役割に責任をもってのぞむ姿勢、また活動内容についてもそれぞれ意見を述べて、活動をよりよくしようという姿勢に、キャンプそのものの成熟も感じられた。
やはり同じメンバーで継続して何かを行うということは大切なことであると改めて知ることができた。
今後行われるキャンプがよりよいものとなるために、生徒には何に対しても目的意識を持っていただきたい。ただ参加する、とにかく楽しむ、というだけではなく、一つ一つの活動に対して、このプログラムにはどんな目的があるのか、このプログラムで自分はどう成長することができるか、というようなことを考えながら活動を盛り上げていっていただければ、より充実したキャンプ生活を送ることができるようになると思う。
参加スタッフの声
今回のキャンプは、初めて、小学生から高校生まで4・5名でのチームを作り、チーム内で意思決定をし活動した。当初、チーム内での意思決定はうまく働かず、特定の者の意見だけで動くかに思えたチームも、2日目・3日目と日を経るにつれ、内部で話し合いのようなものが行われ、意思決定が行われるようになった。
また、消灯後の高校生の話し合いは、脱線も多かったが、後半ではかなりざっくばらんな意見も出し合い、キャンプに主体的に参加し、キャンプを動かしていく高校生の姿を見ることができた。
その一方で、小中学生に少し甘えが出てしまったかもしれない。考え、行動する高校生と、おまかせの小中学生。となってしまったのは残念だった。しかし、この高校生の姿を見ている小中学生はきっと、来年以降、自分たちでキャンプを動かしてくれることだろう。
最後に、毎年快く場所をお貸しくださる鈴木さま・食材を提供くださる株式会社山崎料理研究所さまに、この場を借り、深く御礼申し上げる。(S.S)
今回は継続して参加している子供達(初めてのキャンプの時は小学生だった子が今や高校生!)の成長ぶりを感じることができた。
他でも触れている通り、高校生をリーダーとした「チーム制」の導入が大きかったと思う。参加者の年齢に合わせてカリキュラムを組めるのが、考学舎の少人数キャンプの良いところでもある。スタッフとしては、あまり手を差し伸べる必要もなく、見守るだけでよかったので今までになく楽をさせて貰った。以前は、台所に立って包丁を持つ姿を見るだけでハラハラしたものだったけれど…。
とは言え、やはり問題は起こるもの。決まりきった対処法ではなく、「自分で考え、行動して、その責任を持つ」事をその問題から学んでいって欲しいと思う。
今年も子供を連れて参加させて頂いた。1歳で初めてキャンプを訪れた息子が今や7歳。彼にとってキャンプでの経験が大きな糧となっているのは間違いない。有難うございました。(F.A)
前回のサマーキャンプは初参加ということで、皆さんのありのままの姿を見させていただきました。今回は、皆さんがこの一年でどのように成長したのかを見比べることができました。それぞれ、成長したところと変わらないところを持ち合わせていることが確認でき、今後の成長のよい参考になりました。何かトラブルがあったときに、個人として、そして集団として、それぞれどのような判断、対応ができるかということについて考えさせられる機会が多くありました。このようなことに皆でもっと取り組んで、より成熟したキャンプにしていければいいな、と思います。ありがとうございました。(H.K)





