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10月4日にゲスト講義を行いました。今回のゲストは、「ライフプラス」代表の松平和久さんでした。 松平さんは現在、軽井沢ライフのバックアップサービスをする会社を起業し、ご活躍されています。 お話の前にはコミュニケーションゲームを実施し、お話の後、参加者全員でワークショップを行いました。 記
以上 |
導入:コミュニケーションゲーム(14:00開始)
生徒が一同に会する場を利用し、毎回グループならではの活動を実施している。今回はゲストのお話の後にワークショップを企画したため、導入は簡単なコミュニケーションゲームを行った。
「バースデーリング」
言葉を使わずジェスチャーのみで誕生日順に並び円座になり、完成したら着席する。
「名前キャッチボール」
円になって立ち、全員でキャッチボールをする。ボールを投げる人はまず自分の名前を名乗り、次に相手の名前を呼んでからボールを投げる。
松平和久さんのお話・質疑(14:15開始)
前半は松平和久さんのお話を伺った。
《概要》
軽井沢のライフサポート会社「ライフプラス」の代表である松平和久さんは、幼い頃から海外生活の経験が豊富で、その都度「国際人」としての視野が養われていったということだった。
その国際人としての視野から、今回集まった生徒たちに向けて「自分」という「幹」を探し出し、どこに向けてその木を伸ばしていくのか、という話を、powerpointを使ってとてもわかりやすく説明してくださった。
講師自身の経歴・経験談

松平さんは現在、「ライフプラス」というライフサポートサービスを行う会社を軽井沢に起業され、奮闘中の毎日だが、この仕事に至るまでには実にさまざまな経験を積んでこられた。
幼少の頃はスイスにて過ごし、学生時代にはフランス留学を果たし、社会人になった後もシンガポール、上海と海外に勤務することが多かった。
松平さんはこのような海外生活が自らの「幹探し」の基本になっている、と考えている。
自分の「幹」とは?
皆が樹木を連想する場合、根があり幹があり枝があり葉があり…と想像すると思うが、今回は樹木を「幹」と「枝葉」に分けた考え方。
長い人生の中にはさまざまな選択を迫られることがある。それは幼さや性別にかかわらず、誰にでも訪れる機会。どの道を選択しようか迷ったとき、人それぞれにその道を選ぶ基準がある。松平さんは、これを「幹」に、そして、自分が生きてきた中での経験、また、今後するであろう経験を「枝葉」に喩えられた。
樹木の枝葉は全て、幹から伸びるものだから、その幹がなにものであるのかでそこに伸びる枝葉は決まる。だからこそ、幹がなにものであるのかを知るのは大事なことであり、「自分」という「幹」から上を見上げ、「この木をどうやって育てていこうか」と考えていくことが、「どんな大人になるのか」を考えていくことにつながる、と。
「桃李不言下自成蹊」
松平さんの実祖父は「桃李不言下自成蹊」を口癖のように言っており、松平さん自身、このことばを座右の銘にしている。これを読み下すと「桃李ものいわざれども、下おのづから蹊を成す」となり、その意味は「桃や李は決して何もものは言わないのに、その木の下には果実を求めて人が集まり、自然と道ができていく」ということ。
偉ぶらず、ただまじめにコツコツと自分の使命をまっとうすることが大切だ、という意味で実祖父は語っていたのだろう、と松平さんは考え、このことばが松平さん自身の「幹」となっているという。
海外生活や仕事での経験
松平さんが学生時代に留学した先は、日本ではあまり知られていないフランスの小さな村だった。当時この村には松平さん以外の日本人は住んでいなかったし、ひょっとしたら、後にも先にもこの村に住む日本人は松平さんだけなのかもしれない。このような環境に異国人として身を置くということはどのようなことか。
もし自分が日本にいて粗相を働いてしまっても、「あいつは…」と、その行動の責任・評価は自分に返ってくるだけ。しかし、日本人に触れたことのない人が集う場所にいて粗相を働いてしまった場合、「自分の行動=日本人の行動」と見なされてしまい、その人たちの日本人の印象になってしまう。
松平さんはこのことに気付くと、自分の行動には責任があるのだ、と肝に銘じた。
また、松平さんが今の仕事を始める以前は某商社に勤めており、商社の仕事というのは“人と人とのつながり”がもっとも大事な仕事であり、そこには誠実さや真剣さが大いに問われるものだということがわかった。このような経験を通して、「真剣にコツコツと自分がすべきことをやっていれば、自然に人はついてくるものだ」ということを身に染みて感じた松平さんは、やはり自分の「幹」としてきた「桃李不言下自成蹊」ということばにより重みを感じたのだという。
幹」探し
自分の「幹」がなんであるのか、これを幼い頃から考えることは大切。
これを考えるにあたり、「自分の好きなこと・興味のあること」(枝葉)に向き合い、「なぜ好きなのか?」「なぜ興味があるのか?」とそのルーツを探っていくことによって、自分の「幹」に出会うことができる。

最後に、講師より参加した生徒全員に「あなたはなにをしているときが一番楽しいですか?」という質問がなされた。それぞれの思い思いの返答に、松平さんは「なんでそれが一番楽しいんだと思う?」と、そのルーツ探りのお手伝いをしてくださった。生徒の誰もがその返答に困惑していたのは、これまでそうやって物事を考えたことがないからだろう。
松平さんのお話は最初から最後まで、実に説得力のあるお話だった。それは、松平さんの「今」をかたちづくってきた豊富な経験、そして「桃李不言下自成蹊」ということばを礎に自分の「幹」を見つけ出し、それを大切にして毎日を送っているという裏づけがあるからだろう。
ワークショップ(15:30開始)

松平さんのお話を受けて、参加した生徒全員は「自分の木」を作成した。樹木が描かれた用紙に「自分の好きなこと」「今やっていること」など、自分を表すことばを10項目ほど考え、「自分は今、何者なのか」を導き出した。そして皆の前で「わたしの木」を発表した後、皆でひとりひとりの「キャッチコピー」を考えた。それぞれ個性がよくあらわされたユニークなキャッチコピーが出来上がった。
アンケート結果
松平さんのお話について、全員が「よくわかった」と回答し、自分を幹に喩えることに関心をもった生徒が多かった。ワークショップについては、「難しかった」と回答する生徒が多かった。
ふりかえり
- コミュニケーションゲーム
- 通常授業では、生徒同士受講する曜日が違えばお互い顔も名前も知らないということもある。そのような中、お互いのコミュニケーションによって成り立つゲームを行うことができたというのは貴重なことであったと思う。この時間がお互いの気持ちをほぐし、後に意見の出しやすいワークショップを展開できた。「お互いを知る」ということがとても大切なことであると改めて感じる時間だった。
- 松平さんのお話・ワークショップ
- 松平さんのお話に続いて質疑応答の時間があった。生徒にはあらかじめメモをとるための用紙が渡された。お話を聞きながらあとで質問したい項目をまとめやすいようにとの配慮だったが、普段の授業で板書を書き写すばかりの形態に慣れている生徒たちは、powerpointで動く画像を見ながら机のない席で話を聞きながらメモをとるという作業を困難に感じていたようだ。板書を写すばかりのノートを作るのではなく、先生の話が要領よくメモされたノートも作れるようになっていってほしい。
また、後半のワークショップでは、それぞれ好きなことや趣味などを「自分の木」に書き込み、発表しあった。もともと仲のよい生徒同士でもこれまで知らなかった相手の一面が見えたりと、お互いを知り、また改めて自分のことも見直せる、実に有意義な時間になった。
松平さんのように、選択に迷ったときには常に立ち帰ることのできる「幹」を見つけてほしいと切に願う。


