07冬の企画「ドリームマップ」(2007年1月のレポート)

1月13日に、「ドリームマップ」を実施しました。

目的: 自分の夢をかたちにする
日時: 2007年1月13日 10時から16時まで
会場: 考学舎(渋谷区渋谷1-7-5-503)
内容: 「ドリームマップ」ワークショップ
ファシリテーター: 坂本 聰

以上

はじめに

ドリームマップとは、今の自分から将来の理想の自分に至るまでの地図である。「自分の将来」について考えたことは全くないという子供はまずいないだろう。誰でも自分の将来についてのイメージはあるはずである。しかし、その将来のイメージと今の自分とをつなげて考えているかというと、そうでないことが多い。ドリームマップは、将来なりたい自分と、今の自分とをつなげる道筋を記す地図である。自分が行きたいと思う場所があって、そこへ行こうとするときにワクワクするように、ドリームマップは作ったその日からワクワクできる、夢の地図だ。

また、ドリームマップは自分の中に眠る宝の地図でもある。将来の自分のイメージが、「これなら自分でもなれそう」というような消極的なものになっていないだろうか?自分の限界を決めていないだろうか?「何にでもなれるとしたら!」から考える自分の理想は、自分の可能性を広げてくれるはずである。夢は大きいほど良い、目指す目標は高いほど良いのである。

実施内容

  • ドリームマップって何?
  • 自分の「好き」を見つける
  • 自分のイメージを探る
  • 仕事の種類を調べる
  • ドリームマップの下書きをする
  • インタビューに挑戦する
  • ドリームマップを描く
  • 発表する
  • 振り返り

10:00 開始

ファシリテーターの話から始まった。
まず、「ドリームマップとは何か」。当日まで敢えて説明をしていなかったのは、事前に各々で構想を練ることをせず、「ゼロ」の状態からワークショップの中で考えて欲しかったためだ。

続いて、「大人になったらなぜ仕事をするのか」。生徒達からは「お金のため」「社会の役に立つため」などの意見が出た。それはそうだが、それだけでは仕事は自分の我慢の上に成り立つものになってしまう。働くことで自分が嬉しくなれるものを自分の仕事として選べるのがいいだろう。

ワークブックでの作業が開始。
自分の好きなものや、自分のイメージについて、ワークブックにある質問に記入した後にファシリテーターがそれぞれの答えを聞いていくと、まさに十人十色である。ここで、ひとつ注意事項が言い渡された。「ひとりひとりが違っていて当たり前。自分と違っていておかしいと思っても人の批判はしないこと。」周りからの批判はもちろんだが時には賞賛さえ、自由に考えることの妨げになってしまうことがある。ドリームマップを作るにあたってこのルールはとても大切なものである。この後、生徒達はきちんとルールを守ろうとし、うっかり批判めいたことを口にした場合もお互いに戒める姿勢を保っていた。

- 休憩 -

仕事の種類を調べるワークでは、全員で知っている仕事の種類を思いつく限り挙げた。将来なりたいものについて考えるとき、大抵この段階から始める。すると、仕事と自分の好きなものがつながりにくくなる。自分の好きなもの、嬉しくなること、自分はどんな人か、を自由に考えた後ならば、それが無意識にでも出来る。今回は出てこなかったが、時には既存の職業ではなく自分がやりたい新しい仕事が出てくることもある。

30歳の自分のプロフィールが出来上がり、インタビューを実施。30歳の自分としてインタビューを受けた。これは理想の自分になりきることがポイント。なりきった自分が、例えば「どんな服を着て仕事をしているか?」といった具体的な質問に答えることで、将来のイメージをより現実的なものにしようというもの。理想の自分になっているのだから良い気分にならないわけはない。笑顔の絶えないインタビューとなった。「未来の望ましい状態の絵を思い描くのに、視線を上に向けるとやりやすい」と心理学で言われるが回答者の視線は自然と上を向いていた。

ランチタイム後 13:30 後半スタート

いよいよ、ドリームマップの作成。A2版の紙が渡され、作業が開始した。紙が大きいだけあって描き始めは恐々とした感じがあったが、徐々に興に乗り始めて、切ったり貼ったり描いたりの作業が黙々と続いた。予定終了時刻を延長したうえ、まだ描いていたいという生徒もいたが、1時間ほどで作業を終了。

続いて、作成したものを早速発表し合った。発表の方法についてファリシテーターからアドバイスがあったものの、百聞は一見にしかず、それぞれの個性が光るドリームマップが完成した。今回は、普段発表が苦手という生徒も皆の前で堂々と話すことができた。

ふりかえり

子供たちはほめられるとよろこぶ?もちろん、違ってはいない。でももっと喜ぶのは、誰かの役に立ち、「ありがとう」と言われたときなのではないだろうか?特に成長に従いその傾向は強くなる。大人になって働くということは、その集大成である。もちろん、仕事をして、自分の生活の糧を得る。これは本当である、しかし、お金は後から出てきたものだ。コミュニティの中で、それぞれが得意なことをしてお互いの役に立ち、社会が発展してきた。ヒトはそれぞれが、その一翼を担っているのではないだろうか。ドリームマップでは、自分の夢、誰を喜ばせたいか?そしてそのためにどんな仕事をしたいかを考える。仕事ありきの職業選択ブックでもないし、職業訓練でもない。そう考えると、本当に自分のやりたいことが見えてくる。そんなことを確信した1日だった。(S.S)

「何でも出来るとしたら!こんな自分になりたい!」 中学生より、小学生のほうが自由に考えられるようだ。年を重ねるうち、論理的に物事が考えられるようになり、冷静に自分自身や状況をとらえるようになる。それに自分の発言に責任を持とうとするようにもなる。それが、「自分は、こんなもの」という過小評価や決め付けにつながってしまうことがある。時には、「何でも出来るとしたら!」という自由な発想をしてみると、自分の価値観の確認や、自分の可能性をひろげることができるのではないだろうか。大人も是非試してみるといい。というわけで、今回は講師二名も自身のドリームマップを作成した。(F.A)