‘25 夏のゲスト講義(こうぎ) 8月23日(土)
- 時 間 13:00から16:30
考学舎 青山教室にて - メニュー マジックショー
お話、マジックとは、見せるということ、マジックの仕掛け
分かち合い・しつもんタイム - ゲスト ギャラクマン、大谷 祐司さん
マジックをしながら天文解説をする解説員 - 参加者 高校生2名 中学生3名 小学生2名 保護者1名
マジックショー
13時、「ギャラクマ-ン」と呼ぶ生徒達の掛け声とともに、ギャラクマンが登場した。お話をし、場を少しずつほぐしながらも次々と繰り出される手品に、大人も子どももしばし見入る時間となった。こんなに客席が近いと、大変なんですよ。と言いながら、巧みに子ども達の視線や関心を誘導し、みなどんどんマジックショーに引き込まれていく。最初は少し、ゆったり見ていた生徒達も、少しずつ前のめりに、気づけばあっという間の60分だった。
休憩
お話
後半はいよいよ、「見せるということ」と言うお話。天文を専門としつつ、マジックに引き込まれていくお話は、「好きなこと」をどのように生かすのか、考えさせられるものだった。ダイナミックコイン、というコインのマジック道具をわずか90分で習得し、新幹線内で同行者だけでなく、周りのお客さんまで巻き込んでショーを行った、という話には、参加者一同驚き、自分にもできるかも、と思わせられる瞬間だった。様々な手品道具を手にしていく中で、徐々に、自分に合う手品、合わない手品が分かって来たんだそう。手順の多いトランプ系はだんだんやらなくなり、おしゃべりをしながら錯覚を誘う手品をメインにやるようになってきたそうだ。
いわく。「手品は空気感」。お話で、みんなの心と視線を奪い、錯覚に誘う。楽しい空気感の中で、おしゃべりをしながら、ある方向に誘い、錯覚させることでだましてしまう。この日だけでも何度だまされたか・・・。
途中からは再び道具を取り出し、マジックをしてくれながら話す。そしてなんと、いくつかの手品で種を探そう、と言う事になった。手品の道具を順番に生徒達に見せるギャラクマン。実際に手に取らせてもらい、仕掛けを探すが見つからない。ギャラクマンはある重要なヒントを出した。
「3つある道具のうち、まだ見てないものがあるよね?」
3つの道具があるのに、2つ見て満足していてはいけない。しっかり最後の1つも確認して、推理すべきだ。ということである。
そう、1つ1つ、でもすべてをしっかり見ていかなければ、分からない。そしてしっかり論理的に、この道具でなければ、別の道具、を考えられるコツを伝授頂いた。
そのまま、次のマジックを披露され、道具を生徒達に渡す。今度は、順番に、論理的に仕掛けの可能性を探していく。普段からマジックに興味のある小学2年生が気づいた。周りの者はまだ分からない。でも、どの道具かわかったことで周りも考えが進み、どうやらみんな仕掛けに気づいたようだ。全員が真剣に仕掛けを探した時間となった。
アンケート・感想
マジックショーを楽しみ、また、楽しみながら考えた様子の多いアンケートだった。
多かったのは、話し方についてのコメント。「話のテンポがよいので聞き入ってしまった。」「話し方がやわらかく聴きやすかった」など。
そしてもちろん「種を考えたのは楽しかった」「考える楽しさを改めて教えてもらった」「マジックと天文の融合させる発想が、おもしろい」
というコメントも。
楽しみつつ考える時間を持てたようである。
講師コメント
お忙しいところ、生徒達が楽しみつつ、「みせる」を考えられる時間をご準備、ご提供くださった、ギャラクマン、そして大谷さん、本当にありがとうございます。今回は特に、みんなでマジックの種を考えることができた時間、本当に貴重でした。生徒達はそれぞれ、一生懸命推理し、想像し、考え、まさに、脳に汗をかく時間となりました。ここにも考える1つの共通するメソッドがあるなあ、と改めて感じることのできた時間でした。本当にありがとうございました。(坂本)
今回のゲスト講義も、予想を遥かに超えるショーとお話で、とても勉強になりました。貴重なお時間をいただきましたギャラクマンさん、大谷さんには、心より感謝申し上げます。学校の勉強で大切なことは、科目の知識を覚えるだけでなく、計画的な探索や仮説の設定など、問題を解決する考え方を身に付けることです。こういった思考法は、学校の勉強を通じて身に付けた後、それを日常でも使えるよう橋掛けを行うことが極めて重要ですが、上手な橋掛けはなかなか難しいものです。本講義での手品のタネさがしは、この橋掛けを実際に体験できる、非常に優れたワークでした。生徒の注意を見るべき対象に向けさせるエンターテイメント性も含め、教育に携わるものにとって、学びがぎっしり詰まった素敵な時間でした。(中村)
今回のゲスト講義はいつにも増して「エンターテイメント」の講義でした。「天文マジック」という言葉自体なじみのないものだったので、マジックを披露したのちに宇宙の説明をして下さるのだと勝手に想像していました。実際のところは、マジックを活かして宇宙のことを教えてくださり、まさに「天文マジック」という言葉そのものでした。身近に感じるものからはるか遠い宇宙について、面白く、楽しく説明してくださる姿勢こそが、「聞かせる力」だなということを痛感しました。生徒、講師共々、気がついたら、マジックやお話に魅了されていました。年齢や性別に問わず、楽しめ、そうして同時に学ぶことができるお話や体験というものが学びの本質であると気がつかされました。見て、聞いて、体験するというエンターテイメントの真骨頂を2時間という時間の中で存分に味わせて頂きました。ギャラクマンと、そして大谷さんに心から感謝申し上げます。(木村)