日時: | 2025年3月29日(土) 14:00~16:30 |
会場: | 考学舎青山教室 |
ゲスト講師: | 安藤 悠貴(あんどう ゆき)さん 株式会社ムーンファクトリー デザインチームのチームリーダーを務めながら、自身もデザイナーとして日々制作を行う。自分の経験を交え、デザイナーというものを身近に感じてほしい。 |
メニュー: |
|
前半
アイスブレイクとして、安藤さんに参加生徒を年令順に並べてもらうというゲームを実施。流行った遊びやゲームなどから年齢を推測したり、最後は見た目からも推測してくださった。よいコミュニケーションのひと時となったのではないか。
ワークショップとしては、映画のポスターを作る、という企画を実施。各自が候補の中から、タイトルとキャッチを選び、たくさんあるビジュアル(各種写真など)をコラージュしながらポスターを作るというワークを実施した。安藤さんからは、タイトルやキャッチから想像出来たり、できなかったりすることを、また、驚きを考えるのもおもしろいという事前のお話があり、渡部さんからは、「細部に至るまで、こだわりを詰め込むところが面白さ」というお話を頂いての作業となった。
あっという間に1時間近くが経過、20分近くはうなって考えるのみで、手がつかなかった生徒も少しずつ手がついてきた。最後までアイディアが浮かばなかった生徒もいたが、様々な趣向を凝らしたポスターがうまれた。
今日の話を通して、「デザインやれそうかも」と思ってくれる人がいたらうれしい。というところから安藤さんのお話が始まった。縄跳びにはまった小学生生活、かくことが好きだった中学生生活、そしてクラゲに魅せられた高校生活の話から、大学での学び、そして縁でつながってのデザイナーとしての就職と日々の仕事の話へと展開していった。
企業のWEBサイトやキャラクターをデザインすることで、その企業のいわば「顔」を創ることの楽しさややりがいから、なかなかアイディアがでなかったり、せっかくのデザインを、顧客から突き返されてしまったりする大変さまで、見事なほどの等身大のお話。生徒達も、様々な場面でお話に引き込まれていた。
メインの仕事はWEBデザインだが、紙のパンフレットや建物看板までも手掛けることがあるのは大変さであると同時に楽しさでもあるとのこと。地道に大胆に、様々なことにしなやかにチャレンジされる姿が垣間見え、生徒達は様々なイメージを持つことができたようである。
なぜこの仕事が続いているのか?「楽しいとかやりがいが、という以上に、ヒトとのつながりがある。」というお話が最後に印象深いものとなった。
感想
今回のアンケートには、いつもより、各自のコメントがたくさん書かれたので、そちらを抜粋する。
<ワークショップについて>
自分でテーマを決め、素材を探し、レイアウトしていくこと自体が楽しかった。アイディアが形になることが楽しかった。まったくアイディアが出ず大変だった、テーマが決まっても素材を考えるのが大変だった。レイアウトに苦労した。時間内に終わらせられる気がしなかった。
<講義について>
デザイナーって漠然としていたけど、どんな仕事なのか具体的になった。今まであまり興味がなかったけれど興味が湧いた。ファッションデザイナーにはなんとくあこがれがあったけど、WEBデザインも面白そうだった。お客さんの求めていることを理解するのが大変そうだ。デザイン好きだからこそ仕事にするのは怖い。アイディアが出てくることがすごい。独自性・発想が生まれるところがすごい。デザイナーの楽しさも大変さも分かってやってみたいと思った。スライドの色、イラストがわかりやすく話が入ってくる感じがした。
講師コメント
ゲスト講義は講師の立場からしても毎回とても楽しいものなのですが、今回は特に楽しさに溢れる回となりました。ゲストの安藤さんのお話は生徒の心にダイレクトに入ってくるような等身大のもので、特にデザインに興味のある生徒たちは熱心に話に聞き入っていました。その前に行った「オリジナル映画ポスター作り」では、それぞれがそれぞれの個性を目一杯発揮しようと目の色を変えて取り組んでいました。勝敗があるわけでなく、成績がつくわけでもない、ただただ自分の好奇心や思いを頼りに進んでいく取り組みというのはこんなにも楽しいものなのか!と改めて気づかされました。
それは何よりも、ゲストの安藤さんご自身が、大変な苦労をしているであろうお仕事を、それ以上に楽しんで続けていらっしゃる様子を垣間見ることができたからなのではないかな、と思わされました。
お仕事内容についてはもとより、「仕事するって楽しいことなんだ」ということを感じさせてもらうことができた生徒の皆さん、そんな大切なことを体験できて、ラッキーですよ。
安藤さん、ムーンファクトリーの皆さん、考学舎の生徒たちのために、貴重なお時間を割いてくださって、本当にありがとうございました!(金澤)
安藤さん、渡部さん、ムーンファクトリーのみなさん、今回はお忙しいところ本当にありがとうございました。生徒のみなさん、あのワークショップは、今回のために考えられ、ムーンファクトリー社内で一度実験的に実施してくださったそうです。みなさんは誰かのためにそんなことができますか?
そんな準備があっての今回のゲスト講義は、ワークショップ、講義ともにみなさんの目がイキイキする時間になりました。アイディアがでなくて大変な時間になった人、それも大切な、あなたのためになった時間です。その時間考えた自分をほめてくださいね。安藤さんのお話は、まさに、等身大に、仕事との向き合い方を語ってくださるもの。声も大きくないし、身振り手振りも大きくありませんでしたが、わたし達に多くが伝わる時間になりました。まさに、新しい時代の始まりを予感させるゲスト講義となりましたこと、改めてお礼申し上げます。(坂本)
講師としてゲスト講義に参加することが初めてであったため、私にとってもドキドキのゲスト講義でしたが、安藤さん、渡部さん、ムーンファクトリーの皆様のおかげで、非常に楽しい時間を過ごすことができました。
ゲスト講義の前に行われた「オリジナルポスター作り」では、生徒らの真剣なまなざしや、楽しそうな表情、時には苦しむ表情など、さまざまな姿が見られました。
ゲスト講義では、まずパワーポイントの完成度に驚かされました。ポップな色使いでありながら、シンプルなデザインで、時には生徒らが分かりやすいように漫画風に作られていたり・・・。安藤さんの仕事へのこだわりが垣間見ることができました。
オリジナルポスター作り、ゲスト講義、どちらも安藤さんや渡部さんを中心にムーンファクトリーのみなさまで作り上げてくださりました。「働く」ということは、一人で行うものでなく、人と人がつながりあって行うものだということを改めて感じることができ、生徒の皆さんにも伝わったのではないでしょうか。
安藤さん、渡部さん、ムーンファクトリーの皆様、楽しい時間をありがとうございました!(木村)
働く大人のリアルがたくさん見え、仕事の楽しい部分も体験できて、デザインへの興味の有無や年齢にかかわらず、働くことが身近に感じられたゲスト講義でした。素敵なワークショップとお話をご準備くださった、安藤さん、ムーンファクトリーの皆さん、本当にありがとうございました。
自分が学生だったときは、社会に出て働くことについて、業界や職業などおおまかにしかイメージできなかったように思います。デザイナーと聞けば、机に向かってデザインを考え、描くことの他に、どんなことをしているのか、想像するのは難しかったでしょう。安藤さんには、仕事の中でお感じになっている楽しさ、うれしさ、大変さなどを、身近で、しかし臨場感のある言葉でお話しいただけて、生徒たちは働くことに対する想像の解像度が増したことと思います。また、どんな仕事においても、色々な人とのコミュニケーションが重要で、欠かせないものであることにも気づけたでしょう。今回のご講義内容、そして、貴重な機会をくださったこと自体からも、人のために仕事をする大人のかっこよさを感じたであろう生徒たちの、これからの学びが楽しみです。(中村)