「おはなしおえかき(幻冬舎刊)」の使い方

「おはなしおえかき(幻冬舎刊)」の使い方

正しく理解することはあらゆる学び・勉強の基本となることは、だれもが感じているところです。

一方で、すでに正しく理解できる大人からは、子どもがどこでひっかかっているのか見えないことが大半ですし、理解できていない、ということに気づくことすら難しいものです。
しかしそれによって、子どもは理解できないままに、丸暗記で色々な勉強を進める癖がついてしまいます。

そこで考学舎では、理解するプロセスを、絵から文に、文から絵に変換することで、子ども自身が「理解」を感じられるワークを行っています。
これは、主に小学生以上向けに考えられたもので、以下の書籍をはじめ、多くのWEBメディア(リセマム等)、雑誌(プレジデントファミリー等)にも取り上げられていますので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

以下の弊社坂本著の書籍に、詳しい方法やトレーニングについて載っておりますので、ご参照ください。

今回、この理解のトレーニングを、まだ字を読まない子どもたちに提供するために、「おはなしおえかき」を幻冬舎様より刊行させていただきました。
ありがたいことに、すでに多くの方にご購入いただき、ご意見ご感想をいただいております。
ただ覚えたり、ただ知識をためたりするのではなく、正しく理解し、その知識を使いこなすことへの多くのかたの関心を強く感じております。

そこで、ご質問をいただいておりますことから、ご家庭での使い方につきまして、このページにまとめさせていただきます。
ご参考になさっていただければ幸いです。

このワークが対象とする読者(学習者)

このワークは基本的には、未就学児にお使いいただくために作られました。
未就学児、として想定しておりますのは、まだひらがなを読まないお子さんです。

  1. 未就学児、まだ、ひらがなを読まないお子さんのためのワークブックです。
    ひらがなを読めないお子さんと進める際は特に、ぜひ親子で一緒におすすめください。親御さんが問題を読み、お子さんが理解した内容の絵を描く、といった進め方です。
    後半、お話が長くなってくる、要素が増えるなどで、1回読んだだけでは難しいと感じる場合は、半分に分けて読む、繰り返し読む、一緒にテキストを見ながら確認する、といった方法で、多くのものを同時に想像しなければいけない状況を回避してあげてください。
    短く区切って複数回読むことで、1つずつ、頭の中の絵に要素を描き足していくような進め方でも、このワークの本質を学ぶことができます。
  2. 小学校受験を目指されるお子さんにもお使いいただけます。
    受験のために作成されたワークではありませんが、読まれたお話を、絵として想像していくことで、集中力を高めつつ、理解度を上げることができます。
    この習慣をつけていくことで、多くの情報を正しく理解し記憶しやすくなりますので、受験で問われる理解力を養うことができます。
    特に、受験のための勉強をする場合、多くの情報を1回で理解したりすることが求められます。
    これを成し遂げるために「丸暗記」が使われることも多くあります。特にこの年代のお子さんは記憶力がよいので、トレーニングで丸暗記ができてしまうためです。
    しかし、丸暗記した知識は応用が利きません。いくら覚えても使えないものになってしまうのです。
    正しく理解するプロセスを身につけることで、使える知識を持てるようにしてあげませんか。
    (進め方の詳細は、後項、「このワークの進め方」をご参照ください。)
  3. 小学校低学年の方にもおすすめのワークブックです。
    まだひらがなが少しあやふやなお子さんには、ぜひ親御さんが読んであげながら取り組んでください。
    すでにひらがなを読めるお子さんであれば、一人で進めることも可能です。
    ただ、やり方によって、得られる学びが変わりますので、親御さんが見守る中で進めていただくことをお勧めいたします。
    (進め方の詳細は、後項、「このワークの進め方」をご参照ください。)

このワークを進めることで習得が期待できること

見たり聞いたりしたことを、正しく理解できる「方法」を習得することができます。
正しく理解できることで、結果として他人にわかりやすく表現することができるようになります。
例えば・・・。

  1. 聞いた内容を頭の中で、絵として想像することを習慣化することを通して、理解を促進させます。
  2. 見た絵を、言葉に置き換えることを習慣化することを通して、言葉を増やし、理解を促進させます。

私たち大人は、子どもが理解していると思い込んでしまうことがありますが、実際には暗記しているだけ、ということが多くあります。
暗記しただけの知識は、応用することができません。中学受験くらいまでは、丸暗記でも進められますが、社会に出てからはそうはいきません。
早い段階で、正しく理解できる方法を習得させてあげましょう。

このワークの進め方

できる限り、親子で楽しみながら進めてください。ワークとはいえ、ただ1つの正解がある、というわけではない問題も多くあります。
あくまで解答は参考程度にご覧いただき、お子さんがその絵を見てどんな言葉を見つけたのか、その文章を聴いてどんな絵を想像したのか、を大切にしてあげてください。
絵の中に書かれているけれど、解答例には出てこない部分もありますし、問題文の中では説明されていないことが絵を描く際に必要となることもあります。
それぞれ、もともとはなかったということだけを確認し、自由に足してもらいましょう。

このワークには以下の3種類の問題が収録されています。

聴いたことを絵として描くワーク
 

聴いたことを絵として描く

親御さんが問題文を読み、お子さんは聞きながらまずは内容を頭のなかで「絵」として想像します。
1回で想像するのが難しい場合は、お子さんからの「もう1回読んで!」という声かけをルールとして何回でも読んであげてください。知らない言葉が出てきた場合、一緒に調べてから、再度問題文を読んであげます。

また、特に後半で、問題文が長すぎることで、想像ができない、様子がある場合には、問題文を2つに分けてもかまいません。前半を読んで想像してもらい、後半を前半の絵の中に書き足していく、という形でも有効です。

絵を見て理解したことを確認するワーク

親子で絵を見ながら、何が描いてあるかを話し合ってみてください。知らないものが出てきた場合、一緒に調べてから、再度絵を見てみます。ある程度、一緒に内容を確認してから、次のページの内容確認問題を読んでいきます。途中でわからなくなったら、お子さんの「もう一回見せて」という声かけをルールにして、もう一度絵にもどります。見終わったらまた問題文ページに進みましょう。また、特に後半で、絵の中の要素が多すぎることで、頭に入らない様子がある場合には、問題文を参考に、絵の中で理解することを2つに分けて考えても構いません。
物語を聴いて1シーンを絵として描くワーク
親御さんは、物語を読んであげながら、各シーンをお子さんがしっかり想像していることを確認しながら進みます。頭の中に、イメージがあることを確認したうえで、実際の絵を描いてもらいます。特にここでは、自由に想像して描いてもよい部分が多くあります。文中に書かれていること、そうでないこと、の区別だけは確認しつつ、絵は自由に描いてもらいましょう。

 

<< 進めるにあたりご留意いただきたいこと >>
  • 「丸暗記」にならないように注意する
    大切なのはこの「丸暗記」にならないように、です。
    「丸暗記」は「理解」ではありません。答えの正誤だけをみるとこの判別はできませんので、親子で対話しながら進めるのが一番です。
    進めながら、お子さんが頭の中でイメージしていることを確認してください。
  • 「ただ思いついた絵を描くわけではない」ことに注意する
    一方、感じたことを絵にするワークではありません。あくまで文中にある説明はできる限り忠実に絵として表していきます。
    そのために、説明として書いてあったこと、書かれていないこと、を確認するプロセスを大切にしてください。
    この確認を習慣にすることで、将来的には、事実と感情を双方大切にすつつも、混同せずに扱えるようになります。

最後に

「おはなしおえかき」が多くの方の役に立つことを願ってやみません。
お使いいただいての疑問やご質問がございましたら、お気軽にお問合せください。
お時間を頂くこともあるかもしれませんが、可能な限り回答させていただきます。
>> お問い合せフォーム